エリース、新監督で初勝利 今季2勝目 後半10人劣勢も逃げ切り
写真:小川の先制ゴールを喜ぶエリースの選手たち。
関東1部で最下位(10位)に沈むエリースは27日、9位の流経大ドラゴンズ(茨城)とホームのAGFフィールドで第12節を戦い、1-0で勝利。前半に小川優介が先制点を奪い、後半は退場者を出す数的不利の状況となったが1点のリードを守りきった。エリースは第2節以来となる10試合ぶりの勝利を挙げて2勝目。順位は前節と変わらず最下位のままだが、勝ち点を8に伸ばし、8位のジョイフル本田つくば、9位の流経大ドラゴンズと勝ち点で並んだ。次節はリーグ中断明けの8月24日に同会場でVONDS市原(千葉)と戦う。
スタイル手放し、新たな勝利
前々節終了後に成績不振により監督交代に踏み切ったエリース。新監督初戦となった前節は東京23と引き分け、今節は残留を争うライバルから勝利。チームにようやく光が差しつつある。HCから指揮官へ繰り上がった加藤新監督は「最後は10人になったが、これだけのパワーが出せたのは選手、スタッフの頑張りはもちろん、ホームゲームで色々な方々が応援して力になってくれたおかげ」と感慨深く語った。
エリースといえば後方から丁寧にボールをつなぐビルドアップが代名詞。一方でそのビルドアップへのチャレンジが仇となり、途中でボールを失い、失点する機会も少なくなかった。新監督はまずそこからメスを入れた。「やはりビルドアップで失点するシーンが多かったし、それが1試合のモチベーション、気持ちの部分に大きな影響を及ぼしていた」。
さっそく自陣のゴールキックは大きく前方に蹴り出し、最終ラインも無理にはつながず、シンプルなクリアを徹底。余計な失点のリスクを可能な限り排除した。本来、監督の信条は"つなぐサッカー"とのことだが、今はそのスタイルを手放すこともいとわない。そして単純に見える"蹴るサッカー"も実は細部までこだわりがある。要は蹴って失点のリスクを減らすと同時にゴールも目指す。優先順位はつなぐよりもまず前であり、ゴールであり、その可能性を最大限に引き出すことに注力している。
1トップの船川を目掛けて蹴るロングボールは、裏を取れるなら一気にゴールに迫り、そこで跳ね返されてもセカンドボールを2列目の小川らが前向きに狙って突き進む。守備への一歩がそのままゴールへ向かう加速力となり、それが序盤の早い時間にインターセプトから小川が先制点をもぎとる形に直結した。以降も前半はFW船川が抜け出して決定機を迎えるなど、追加点も十分にあり得た。
だが、残念ながら新監督のサッカーを見れたのは後半の立ち上がりまで。52分にDF井坂がこの日2度目の警告を受けて退場になると、そこからは致し方なく、攻撃の枚数を減らして自陣で守備固め。後半のシュート記録数は0。長い時間を自陣ゴール前で過ごすことになったが、前半から安定感を見せていたGK眞方ら守備陣を中心に敵のクロスを跳ね返し続けて逃げ切った。
順位は最下位のまま。まだ2勝目。残留が厳しい状況にあることに変わりはない。それでも何より求めていた勝利という結果が長いトンネルから抜け出す一歩になることは間違いない。「チームが一体になればこれだけの力を出せることは証明できた。自分が監督を引き受けたからには絶対に残留させなくてはいけない。そして同時にクラブも成長させていくことが目標」。新監督の覚悟を持った一言、一言がチームを引き上げていく。そんな可能性を大いに感じさせる新たな1勝だった。
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