後半失速「自分たちの距離が遠くなった」MF佐々木
写真:狭い局面を打開してシュートを放つ佐々木。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東1部:南葛 1-2 VONDS>
VONDS市原を文字通り圧倒し、先制点を手に入れながら、後半20分までにセットプレーで2失点。前半と後半とで主導権を握る側が逆転する結果となってしまったが、この悔しい敗戦を南葛SCの選手はどう受け止めていたのか。前半32分、勝っていれば値千金のゴールとなったはずのPKを決めたMF佐々木は次のように語った。
「自分たちのサッカーが出来ない時間帯があった時に失点した。あそこをもっと突き詰めてやらないといけない。相手がセットプレーを強みとしていることは練習から意識していたけれども、それでも失点しているということは、まだ突き詰められていないということ」
試合巧者であり勝負強さを持つVONDSに何もさせなかった前半を経て、後半はVONDSにセットプレーの機会を与える試合展開。もちろん最終的には準備してきたセットプレー守備でゴールを守ればいいだけだが、前半はゼロだったコーナーキックが3に増え、前半は1だった直接フリーキックが5に増えれば、VONDSにとってはそこをチャンスと見定め集中するのは当然のこと。試合運びからセットプレーの巧拙に至るまで、VONDSの得意分野で南葛は敗れた。
「(後半は)相手がどうこうではなく自分たちの距離が遠くなった。ちょっとビビって受けに行く距離が遠くなったり、受けに行く姿勢がちょっとずつ低くなっていた。前から来た時に距離が遠い分、はめられた」
後半のプレー内容はほぼ、佐々木がこう述べる通りだった。前半はVONDSの選手たちがボールを獲ろうとしてもまったくボールに触れず、南葛の選手は相手の間を衝き、それどころか相手がいるところでもギリギリ触られないわずかな隙間でボールを動かし、ゴールに向かい突き進んでいた。しかし後半はボールを受けることを怖がっているかのようにプレーし、パスが繋がりにくくなった。
自分たちの姿勢を変えたためにボールを失うようになり、相手に攻める機会を与え、セットプレー攻撃の機会を与えたわけだが、さらに遡れば、ベストだった前半にも問題点はあった。「(前半)45分間はすばらしい内容だったけれど、あのなかで3点、4点獲って終わることが一番のいい終わり方。そこがまだまだ足りない」と、佐々木。追加点を挙げられなかったことも敗戦の遠因だと言える。
ただ、佐々木が決めたあのPKはすばらしかった。相手のゴールキーパー今川正樹はコースを予測して左に飛んだが、佐々木が蹴ったボールには触れなかった。
「練習から自信をもってトレーニングしている。強く蹴ることと、読まれても入るように、コースとスピードをいつも意識して蹴っている」
このPKだけでなく、ワンツーの壁役、クロッサーなど、フィニッシュに近いところでの役割をこなし、前半は攻撃での貢献度が高かった。「出ている11人が全員ゴールに向かう姿勢を意識している。今日はぼくがシュート撃つ場面が少し多かっただけ。そこは自信をもってやっていけばいい」
主役として光りながら、その光が1/11となり埋もれるほど、前半はほかの選手の光も強かった。全員が強い気持ちで臨み、高い技術を発揮する時が南葛にとってのベスト。この日の前半45分間におこなっていたことをどの試合でも90分間出来るようになれば、勝てない相手はいなくなるはず。苦い敗戦だったが、希望がわく敗戦でもあった。
(後藤勝)
関東サッカーリーグ
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