飛鳥・美濃部監督「JFLを戦う準備が足りなかった」一問一答
昨年の全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)に初出場、初優勝してJFL昇格を果たした飛鳥FCは、1年目のシーズンを最下位で終え、再び地域リーグに降格となった。通算成績は4勝12分け14敗だった。美濃部監督は「JFLを戦うための準備ができていなかった。引き分けが多く得点力が足りなかった」と振り返った。監督自身は今季での退任がすでに決まっており、チームには「再びJFLを目指すのであれば地域、行政の協力を得ながらやっていくことが大切になる」と述べた。
── 1年で降格となってしまったが、この1年を振り返ると。
「昨年地域CLを勝ち抜いて昇格したが、元々そこまでの目標設定がしっかりと出来ていなかったので、クラブとしての準備が追いついていなかった。JFLに参入すると決まってから選手、財政面含めてクリアしなくてはいけない点が多々あって、そういった意味では出遅れた感があったし、他のチームとの差はあった。試合自体はやれないことはないと思っていたが、それでも引き分けの試合が多く、得点力が最後まで上がらずに勝ち点が思うように稼げなかった。やはりチームは元々地域リーグしか経験していない選手がほとんどで、途中から入ってきた選手も地域リーグの選手ばかり。JFLでの戦い、年間通して全国各地で試合をすることに慣れていなかった。ミネベアミツミさんや横河さんなんかが最後にきっちり残留するためにうまく勝ち点を取るのを見ると、うちはまだまだ未熟だったなと思う」
── 守備面でいうと、守るべきところは守れていた印象だったか。
「どのチームの監督さんと話してもうちが面倒くさい相手といつも言われる。簡単に点を許さない。だから負けているゲームはほとんど1点差。でも最後まで粘ることはできるけど、逆にそこから1点を取って勝つパターンに持っていけなかった」
── 地域CLの時は清川選手が得点王になるなど、1点を取る力を発揮していた。それがJFLでは難しかった。
「地域CLを優勝したと言っても、本当にたまたまうまくいったみたいな感じで。今年のジェイリースさんやVONDSさんのように準備を重ねて、重ねて、予算も選手も揃えて堂々とJFLにいくというチームでは僕らはなかった。去年はそういうチームに僕らが勝って、地域の小さなクラブでも上がれるチャンスはあるということは示せたが、このJFLで戦う準備まではできていなかった。今までの関西リーグであれば年間14試合くらい。それがJFLになると、強い相手だらけのところにいきなりポンと入って、アウェーは何時間もかけて前泊して、もうスケジュールから何からすべて変わる。選手も尻込みしていた部分があったと思う」
【写真】フェアプレー賞を受賞した飛鳥FC(写真はDF篠原)。
── そもそも地域の小さなクラブが地域CLを勝ち抜けた要因は。
「僕らはチャレンジャーというか、他のチームは絶対に昇格するために来ているけど、僕らにはそこまでの目標はなかった。とにかく楽しみに行こう。関西リーグではなかなか経験できない痺れるような試合を全国のチームを相手にやろう。めっちゃ楽しいやんという感じで思いっきりやれた。あとは相手をきちんと分析して、この短期間のゲームを自分たちが勝つためにはどうしたらいいか、それをうまくやれた」
── 今回、監督は今季限りで退任することになった。
「滋賀に自分の会社を持っていて、そこでスクールもあるしジュニアユースとかの指導、運営もある。実際には滋賀から奈良まで通っていた。高速で1時間半くらい掛かるので、往復で3時間。なのでクラブにはもうずっと辞めるということはお願いしていた。それが去年最後の1年ということで契約したが、そしたら昇格して辞められなくなり、あと一年と。今年はもう残留してもしなくても辞めるというのは自分の中で決めていたし、体力的にもきついので退任させてもらった。でも楽しかった。飛鳥で過ごせたこの最後の一年間は本当に楽しかった」
── クラブの今後について思うところは。
「どこを目指すかだと思う。同じ県内に奈良クラブ(J3)があるんでね。JFLに絶対に行かなくてはいけないというような気運がないのであれば、関西リーグで社会人クラブとしてやるということでも個人的にはいいと思う。もし、それでもJFLを目指すのであれば、やはりそれなりに行政の協力含めてやっていかないといけない。クラブ単体で戦えるようなリーグではないし、もっと地域の方々、行政の協力を得ながらやっていくことが大切だと思う」
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