TOKYO FOOTBALL

写真:2019年クラブ選手権で優勝したTOKYO CITY(現SHIBUYA CITY)。

 

COLUMN

SHIBUYA、昇格までの歩みと近い未来 山内会長に聞く(上)

|後藤勝|コラム

(2/2)

遮二無二プレーしてカテゴリーを上げていき、階段の踊り場に立って周りを見渡すと、自分たちの立ち位置がわかり、落ち着いて物事を考えられるようになる。都リーグ3部から2部に昇格した2019年の始めに前述の運営会社を設立した頃、渋谷区サッカー協会の宗宮震太郎理事長がこんなことを言っていた。

「ぼくの夢は渋谷にJリーグクラブをつくることなんだよ。もちろんぼくがそれをやれるならやりたいし、誰かそういう人が出てきたら応援したい」

渋谷に根ざす自分たちと、渋谷の人々の目的が揃ったのであれば、躊躇することはない。「ああ、この渋谷で、地元でずっとこれまで関係を築き上げてきた人たちと一緒に夢を見ていいんだ」と山内会長が感じたその時が、成長の加速にブーストがかかった瞬間だった。同年中に阿部翔平の獲得を発表し、渋谷をホームとして渋谷からJリーグをめざす宣言をおこなう。2年後、都リーグ1部1年目の「SHIBUYA」への名称変更への動きはここから始まっていた。

写真:クラブについて語るSHIBUYA CITY・山内会長。

クラブについて語るSHIBUYA CITY・山内会長。

スイッチが入ったものの、阿部翔平以外はフルタイムで働く社会人の集まり。夜にフットサルコートで全体練習をする社会人チームから、プロ集団へと変質していく過程が重要だったが、ここでコロナ禍という壁が立ちはだかった。

「ぼくらには母体がない。企業のサッカー部でもないし、大学のOBチームでもなくて、SNSで集まってきたチーム。意図的にコミュニケーションをとらないとみんなが考えていることが分かり合えない特性があるなかで、コロナで物理的な接触が出来なくなった」

大卒のルーキーを獲得した最初の年である2021年はまさにコロナ禍による行動制限が厳しい時期。夜8時からの全員練習が出来ず、午前中に切り替えると、9時5時で働く社会人が参加出来なくなった。活動が難しい時期だったが、ただこのコロナ禍中の数年間が、よりプロ化が促され、パートナー企業やサポーターが増え、結果的には体制の基礎を築き、力を蓄える時間になったことは間違いない。

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