「『いいゲームをして負けた』が一番辛い」と槙野監督 光る品川の健闘
写真:試合後に選手たちに語りかける品川CC横浜・槙野監督。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東大会1回戦:EDO 2-1 品川CC横浜>
苦しみながら3位で神奈川県代表の座を獲得した品川CC横浜が、東京都社会人サッカーリーグ1部首位、無敗のEDOをあと一歩のところまで追い詰めた。
前半はペースを抑えながら様子を見て、状況を把握するかのような試合運び。その分、EDOに何度もチャンスをつくられたが、無失点でハーフタイムに入った。4-1-4-1だった品川は後半開始から2トップにチェンジ、相手陣に押し込もうとモードを変えてきた。これが嵌まり、EDOが押し戻せなかった時間帯の後半28分、右CKにDF福田が頭で合わせて先制した。
しかし後半アディショナルタイム、後半47分と51分に2失点。PK戦にすら進めさせてもらえず、敗れ去った。
先制点までの試合運びは狙い通りであったはず。品川は、初めて関東社会人サッカー大会に棲む“魔物”に遭遇したかのように、不可思議な敗退を経験した。
「前半耐えなきゃいけなかったり、天候とかもあったので、まずは守備からというところもあったけれども、ウチは後半にエンジンがかかるのと、選手交代をしながら変えていくのがひとつの武器。それはうまく嵌まったかなと思う。『いいゲームをして負けた』が一番辛い。ゲームの締め方は改善しなきゃいけないのかなと思う。終わらせ方として、割り切るプレーの選択というところもあったかなと」
槙野監督はこう語った。先制点を決めたあと、残り時間は決して短くはなかった。アディショナルタイムを含めると23分間。引いて守りきれるという保証はない。前に出る姿勢の選択は間違いではなかったが、どこかでシフトチェンジをしたほうがよかったのかもしれない。善戦の内容を結果にリンクさせるための何かが足りなかったのか。
本来はボールを主体的に動かしていくボール保持のスタイル。それとは少し遠くなってしまったが、雨天でボールが転がりにくい、あるいは転がらない部分がある状況にしっかりとアジャストし、果敢に戦っていたことは確かだ。そして、関東大会で強い相手に熱戦を演じたということ自体、クラブにとっては大きな一歩であったはずだ。
「勝たせてあげられなかったという想いはやっぱり強い」と、槙野監督。陽性の笑顔に若干の悲しみが差していたようでもあった。クラブ、監督にとって今回の敗戦は、高い勉強代となってしまったのかもしれないが、下を向く必要のない戦いぶりであったことは間違いない。
【後藤勝】
大会日程・結果/トーナメント表