東京U、前への守備からPK奪取 南葛に1-0勝利
写真:勝利が決まり笑顔を見せる東京Uの重田ら。(写真:小林渓太)
関東1部東京U 1-0 南葛SC
首位戦線に残り、東チタへの挑戦者に名乗り
全国社会人サッカー選手権大会の関東予選で敗退し、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ進出を果たすためには関東サッカーリーグ1部優勝だけが条件となった東京ユナイテッドFC。意気込んで準備した再開初戦の首位・東邦チタニウム戦が台風の影響で順延となり、気持ちの整理が難しいところだったが、7月5日におこなわれた関東1部第9節では南葛SCを1-0で下して首位戦線に残った。
いつものように前向きの状態をつくり、多くの選手がボックス内に向かう南葛の攻撃に晒されたが、ゴールは許さなかった。サイドではサイドバックのDF草住とDF弓氣田がクロスを上げさせない守備重視のプレー。ドリブルで進入してくる選手に対しては、ボランチまたはサイドハーフが下がってのダブルチームでその先を塞いだ。2センターバックのDF韓とDF吾妻も堅く、無失点の時間が続いていた。
劇的なゴールシーンが生まれたのは、東京Uが三枚替えを敢行した2分後の後半25分。ピッチに入ったばかりのMF重田がプレッシャーをかけると南葛DF牛田のボールコントロールが乱れ、MF三枝を狙ったものと思われるボールがルーズボールのように浮いた状態になる。ここが起点だった。このボールをMF平松が収めてタテのスルーパス、これをFW木村がヒールで流し、背後へ出た重田が倒されてPKを獲得。木村が決めて先制した。
「少しでも寄せないと、自由があると相手は何でも出来てしまう。5割でも6割でも、ちょっとでも制限をかければ相手の選択肢も少しずつ狭まってくるので、そこは意識してプレスをかけた。(相手が手放す形になったが?)相手の選手は意外と、縦パスを受ける時にあまり首を振れていない感覚が自分の中にあったので、そのほかにインターセプトが出来たシーンでも相手がヘッドダウンしているタイミングでちょっと寄せておいて、(ボールが)出た瞬間にGOをかけるというのは意識している部分だったので、そこがうまく出たことはよかったと思う」(重田)
良く守ってはいるが攻撃に転じる機会が少ない試合展開で「攻撃のスイッチを入れようと前線3枚を一気に変えて『勢いを出す』というような指示があった」と、重田。前に前にという姿勢がルーズボールへのすばやい反応、PK獲得につながったのだろう。
背後を衝くパスは前半から出ていたが、質が伴わず、なかなか南葛を攻略しきれていなかった。しかしボールを背後に流し、選手がそこに出ていく意識を継続、後半6分に高い位置で奪いチャンスになったようにショートカウンターの形も出てきて、ゴールを奪うイメージが醸成されていった感がある。
「相手の選手はすごく足もとの技術が高くて、つなぐ力はあるが、一斉にスイッチを入れてプレッシャーをかければ、ちょっとしたミスは生まれてくる。ちょっとぬかるんだピッチ状況でもあり、そこは常に狙っている部分だったので、前から圧力をかけて奪いに行く姿勢が得点を生んだことは狙い通り」(重田)
福田監督は試合前のミーティングで「シャトルラン大会ではないが、ウチは走力で優るところが試合の勝敗に直結する」と言っていたという。重田は「ぼくらは平日、とにかく走って走って、という練習が多い。だから今日も最後の最後まで足が止まらず、カウンターも行けていた」と言い、絶えぬハードワークとそこに耐えうる体力を勝因に挙げたが、後半ペースが落ちた南葛に対し、東京Uが元気だった様子を見れば、その言葉にも説得力が生じる。
ラインメール青森やヴェルスパ大分でJFLを経験している重田だが、関東1部は技術的な部分ではJFLとは差がないと感じているという。そのようにレベルの高い関東1部で独走態勢に入った東チタを倒す絶好の機会だったが、先週、台風の接近で中止となった。
「難しいような心理状態で、ちょっとふわっとしてしまっている部分もあった」(重田)が、キャプテンの平松を筆頭に「この雰囲気では勝てない」と言って引き締めた結果「気持ち的にも準備が出来たのでこういう引き締まったゲームが出来たと思う」とも。日頃の積み重ねと意識付けがこの1勝につながった。
「満足せずに、もっともっとチーム力をつけていかないと」と、重田。逆転優勝に向け、南葛戦の勝利をもって東京Uが反撃の狼煙を上げた。
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