武蔵野OB、現役J選手4人がアカデミーにミニゴール寄贈
写真:クラブOBでもある現役J選手4人からミニゴールが寄贈された。
(写真:クラブ提供)
地元に密着した生涯に渡る関係性
今年3月、横河武蔵野FC U-15(ジュニアユース)出身のJリーガーである椿直起(ジェフユナイテッド千葉)、豊田歩(サガン鳥栖)、松本大弥(湘南ベルマーレ )、室井彗佑(横浜FC)の4人が横河武蔵野FCアカデミーにミニゴールを寄贈した。同アカデミーは3月28日にSNSを更新、OB情報として公開した。他クラブに、そしてプロであるJリーグへと巣立っても、育ての親である武蔵野のことを忘れず、その絆が健在であることを示すエピソードだった。
横河武蔵野FCの本質的な価値は、生涯続く『ふるさと』としてのコミュニティ形成、そして『地元の仲間が集うクラブ』としての姿にあるのではないだろうか。様々なクラブでOBの選手たちが初蹴りなどで交流を続けることは良く聞く話ではあるが、特に好立地にある横河電機グラウンドで活動する武蔵野のOBたちは熱心。年末年始、実家に帰ってきたその足で近くにあるグラウンドへと赴き、年代を超えて集まり、コミュニティを形成する。
過去には元日本代表の李忠成や現U-15コーチの阿部拓馬など著名なプロ選手も活動していたが、現役Jリーガーとなると必ずしも知名度は高くはなく、彼らOBのサインをクラブハウスに掲出しているにもかかわらず、今回のミニゴールの寄贈をきっかけに初めてJリーガーOBの存在を知る後輩も多かった。しかし彼らが起こした行動はクラブの歴史と世代間のつながりを目に見えるようにするもので、かつ広くクラブの価値をあらためて認識させるものであったことは確か。この4人を含めて武蔵野のアカデミーがプロ選手を数多く輩出していることは、確実に現役のアカデミー生への刺激にもなっている。
4人とU-15世代で接点があった石村サッカー部門長は、アカデミー卒の選手たちとのつながりについて次のように語っている。
「我々は『地域密着』というより、もっと狭いエリアの『地元密着』という感じのクラブ。遠距離の選手を拒んでいるわけではないが、結果的に地元の選手が多い。この武蔵野がサッカーを始めた場所でもあるOBも多く、実家からも近いとなると『ふるさと』という位置づけが合っているかと思う。今回ミニゴールを寄贈してくれた4人から『クラブに何かを還元したい』という想いが感じられ、我々が彼らに携わった意義がすごくある」
武蔵野は選手との「生涯にわたる関係性」こそがJリーグのクラブとは異なる強みであると認識し、この文化を意図してさらに深化させていきたい考えのようだ。プロの選手を送り出すレベルのアカデミーを礎にトップチームはJFLで戦う武蔵野の、独自の立ち位置がうかがえるミニゴール寄贈のエピソードだった。
(後藤勝)
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