アローレ、新生東京ベイに競り勝つ 開幕白星
写真:先制ゴールを決めて祝福されるアローレのMF可児。
東京1部アローレ 2-1 東京ベイ
チーム名こそ昨季と同じだが、今季は選手も見た目も中身も運営元もガラリと一新した東京ベイ。はたから見れば都リーグの開幕戦というより、東京と他県の一戦に近い印象を受けたはず。とはいえ急ピッチで選手をかき集めながら一からチームを作る東京ベイは、選手個々の実力は確かで、アローレの主将・MF可児は「事前情報はほとんどなかったが、Jリーグの経験者もいるだけあって足元がうまかったし、実際にすごく強かった」とその印象を語った。
だからこそ開幕戦の早い段階で叩いておいた価値はあっただろう。
冒頭、中盤の底でゲームメイクするアローレの可児に対し、東京ベイは昨季までエリースに在籍し、Jでのプレー経験もある百戦錬磨の村田が10番を背負い、ボランチで手綱をさばく。両者の攻防は見応え十分だったが、前半に限っては可児に軍配があがった。囲まれてもかわし、サイドへのロングの展開も鮮やかで、アローレの新加入のMF大塚らを巧みに操った。
早い段階の先制点はその可児がCKから直接決めたもの。狙いは〝直接〟ではなかったが、「雨のピッチだったし事故的なことも起こると思った」と最終的にはゴールという狙いのキックが実を結んだ。さらに22分にはもう一発。可児の蹴ったCKからのこぼれ球を尾下が突き刺した。
ただ、前半のうちに決定的な3点目を仕留められなかったことで後半は一転、受け身に回った。選手交代が裏目に出たのか、ボールを奪っても前線が攻撃の形を作れない。70分には東京ベイの古澤に決められて1点差。勢いは同点ゴールを目指す東京ベイにあった。それでも最後はボールキープなどで時間を稼ぎながら時計の針を進め、守備陣の奮闘と共に辛うじて逃げ切った。
改めて開幕戦勝利の手応えを問うと可児は「正直自分たちの実力はまだわからない」と素直に答えた。「ただ、真面目にハードワークする部分は練習試合からできていたことだし、やはり課題はもう少しボールを握ってアタックに持っていくところ。ラインを押し上げる、コンパクトにする。それが出来るようにならないと、攻撃の時間は増えないし、このリーグでは勝ち抜けないと思う」
最後は課題を並べた可児だったが、勝ったうえでの課題を語るなら悪いことではないだろう。
東京都社会人サッカーリーグ1部