沖縄高原監督 敗戦にも下を向かず 視線は一週間後のJFL・地域入れ替え戦へ
JFL15位となり地域CL2位との入れ替え戦まわる沖縄SV。
MATCH REPORT後藤 勝
<JFL:東京武蔵野U 1-0 沖縄SV>
今シーズンかぎりの現役引退を表明している沖縄SVの高原監督がJFL最終節の東京武蔵野ユナイテッドFC戦に先発し、90分間フル出場を果たした。後半30分には右からのクロスをヘディングシュート。34分にも左からのクロスをフィニッシュに結びつけたがこれは枠外。しかし2本とも武蔵野の決勝点を除けばこの日一番の盛り上がりで、場内を沸かせるプレーだった。
武蔵野に0-1で敗れてJFL最下位の15位が決定したが、高原監督の表情に暗いものは一切なかった。シーズン中からJFL・地域入れ替え戦に臨むことになる可能性が高いと認識し、最終節から一週間後のその舞台に向けて準備を進めてきた成果が、この武蔵野戦の内容に現れていたからだった。
「出来れば負けずに、最後は0-0でも問題ないかな、と。出来れば勝ちたいところだったけれども、ゲーム内容としてはそれほど悪くなかった。中断明けからは入れ替え戦もある程度見据えて準備してきたので、あと1試合、来週また頑張りたい」(高原監督)
ボールを保持しながら相手の間にパスを通し、ゴール前に到達したらクロスをシュートに結びつける。狙いとする戦い方が出来ていることは傍目にも明らかだった。中断明けからは状態も上向き、第24節から第26節までは3連勝。一時はダントツの最下位だったが、最終節で武蔵野に7点差をつけて勝てば残留出来るというところまで成績を挽回した。残るは入れ替え戦で残留を決めるだけ。「クラブとして歩みを止めないためにはやっぱり残る必要がある。もしもう1回地域リーグに落ちるようなことがあれば、自分たちが進んできたスピードは後退せざるをえなくなる」と、危機感は強い。
J1昇格プレーオフのように、引き分けなら成績上位、カテゴリー上位のチームが進むというレギュレーションではなく、JFL・地域入れ替え戦は勝たなければ残留を果たせない。その厳しさについて訊ねると、高原監督はこう答えた。
「レギュレーションは非常に正当だと思う。自分たちも下から上がってくる経験をしてくるなかで、それぞれのクラブの努力を少しでもわかっている。当然だが、勝ったチームが上がるし、残る。お互いの立場のなかでちゃんと結果を出すということは大事なことだと思う」
一方でホームで相手を迎え撃つ一発勝負という点については「我々はどうしても移動が長くなる。今年一年、大変な部分は当然あったが、ホームでしっかり準備しながら試合を迎えられるところは、自分たちにとってはいいと思う」と語った高原監督。正々堂々、地域CL2位のVONDS市原を迎え、勝って残留を決めるつもりだ。
(後藤勝)
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