都リーグクラブのSHIBUYA 巧みな試合運びで初戦突破
写真:初の全社出場で見事初戦を突破したSHIBUYA。
MATCH REPORT後藤 勝
<全社1回戦:福山シティ 0-1 SHIBUYA CITY>
東京1部2位のSHIBUYA CITYが福山シティとの“シティ対決”を制し、2回戦進出を決めた。地域チャンピオンズリーグの出場資格を持たない都リーグクラブのSHIBUYAにとってはこれが直接JFL昇格につながる大会ではなく、むしろ11月に迫った関東社会人サッカー大会に向けての腕試しの場。その意味では、自分たちの実力を推し量れる初戦となった。
序盤は定石通り、ボールを自陣から遠ざけて様子を見る展開。そして前半5分、点を獲りたい福山が右サイドのSHIBUYA陣に進入した辺りから試合が動き始めた。
SHIBUYAも徐々に相手陣へと進入する時間が長くなり、プレーエリアもバイタルエリアへと食い込ませていく。ボール保持の能力も含め、がっぷり四つに組んだ時の力は福山をやや上回っていた。都リーグクラブではあるが個の質が高く、地域リーグのクラブと対戦しても互角以上にやれるという自信を、この時間帯に獲得出来たのではないか。
前半18分から19分にかけて、相手ゴール前で4本のパスをつなぎながらFW政森とMF水野が連続シュート。これは相手GK宮﨑らの懸命の守備に遭い決まらなかったが、前半39分、左CKにニアでDF鈴木が頭を合わせて先制。攻撃的な姿勢が実り、ついにゴールをもぎ獲った。
後半は点を獲るために前に出ていかざるをえない福山を、1点のリードを活かしてSHIBUYAがいなす展開。選手交代枠をうまく使いながら強度を落とさず、バランスを崩さずにゲームを進め、1点差をキープした。最後は放り込みとこぼれ球を拾って力ずくでゴールを狙う福山捨て身の猛攻もしのぎ、無失点で試合終了。
連戦を見据えて出場時間をシェアしながらの勝利で、2回戦にとどまらずその先へも期待を抱かせる試合巧者ぶりを発揮しての、堂々の初戦突破だった。
(後藤勝)
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