エリース、3得点も勝ちきれず 課題が明確に
写真:前半にゴールを決めるエリースのFWソン・ホギョン。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東1部:エリース東京 3-3 ジョイフル本田つくば>
関東サッカーリーグ1部の再開初戦となった西が丘の第13節では、エリース東京FCとジョイフル本田つくばFCが激しく撃ち合い、スコアは3-3という見ごたえのある引き分けを演じた。先制点を許したエリースはFWソン・ホギョンの2得点で前半を2-1で折り返し、後半は2点を奪われて逆転されたが、篠原のゴールで追い付いた。
あまり足もとでこねることなく、いい立ち位置をとり、間にタテパスを通して決定的なチャンスを創出する精度は高かった。この攻撃の好調ぶりからすると3得点はむしろ少ないくらいで、課題は主に守備面ということになる。
リーグ戦は約1カ月間中断。この夏、エリースはまさにその守備を整備することに取り組んでいた。それはほとんどの時間帯で中を閉め、守備を堅くするという成果にあらわれていた。ソン・ホギョンや松岡ジョナタンを先発で起用したのも、守備面を重視して身体的に強い選手をセレクトした結果。この点については山口監督も言及していた。
「点がなかなか決まらない、決まっても2点獲られちゃう、という1点差の試合が続いていたので、失点を減らせば自ずと得点も増えるだろうと、守備に取り組んできた。一定の成果は出た部分もあるかなと思っています」
では残る守備の課題は何か、ということになる。失点の主な要因はクロスであったりセットプレーの浮き球。
時折生じるこの隙には、疲労や集中力の問題が関係しているようだ。時間の経過につれ、ファーストディフェンスのところなどで距離感が開いてしまい、相手に対して守備に行ききれないところが出てきて、相手のボールホルダーをフリーにしてしまう。1失点目はつくばのクロッサーがフリーになっていたところから決められた。
「まだ、空いたスペースを使われたりという場面が出てしまう。やっぱり関東1部はそこは見逃してくれないなと感じた。とはいえ、守備がしっかり出来ていた時間帯は攻撃の質もすごく高かったので、もっともっと守備のところを詰めていこうと思っている」(山口監督)
いい守備からのいい攻撃という長所があらわれた反面、失点場面に関してはあっさりとゴールを許してしまったという反省がある。ただ、寄せきれない、危険なスペースを空けてしまうというプレーがあったなかでも、中断期間の練習試合で試したことを公式戦で実践し、負けなかったことは今後につながる。「次からの2試合が本当に大事になってくる」と、山口監督。中位との勝ち点差が少ない9位からのジャンプアップに目を向けていた。
(後藤勝)
【関連記事】
・篠原、値千金の同点ゴール
関東サッカーリーグ