東京、茨城に力負け 序盤に痛恨の連続失点(2/2)
写真:開始6分で先制点を許し、うなだれる東京の選手たち。
MATCH REPORT後藤 勝
<1回戦:東京都 1-4 茨城県>
強度不足で自らの首を絞めた東京
東京には戦術も技術もあった。たとえば和田コーチはまず、基本方針として、MF田中、MF竹村、MF後藤の技術的優位性を活かしてボールを動かすことを考え、両ウイングバックの砂田そして小野寺の推進力を活かしたタテに速い攻撃とのハイブリッドを狙った。この意図は奏功して、事前の練習試合はボールを支配する形ですべて勝利を収めていた。
また、短い試合時間のなかでも、相手に通用する攻撃を見出してもいた。前半22分の左からのFKでは、クリアソン新宿のDF小屋原がキックの直前に相手をブロックしてその間に2トップが入るというように、即席でフィニッシャーの入り方を決め、そのとおりに田口が入ってチャンスになりかけた。後藤と田口で2回のチャンスをつくったことは、武蔵野の選手の質と日頃からの連携のおかげでもあるのかもしれないが、セッション数の少ない選抜チームながら、何がどう機能して得点を挙げ失点を抑えるかというすべを見つける努力が実ったものとも言える。
「ある程度チームとしてこういう形でやろうと、その再現性をどれだけ高められるのか。難しいところではあるが、それをとっさに考えて判断出来るのは中の選手のクオリティ」
田口はこう言った。しかし試行回数の少なさ故か、その形を何回も成功させて勝つという結果には至らなかった。そして事前の練習試合では拾い上げきれなかった強度の不足という問題が敗戦を招いた。後藤は次のように反省した。
「都リーグの選手も含めて強度の部分と、もっとサッカーを知ることが必要かなとやりながら感じていた。巧い選手はいるけれど、一人ひとりがもっと闘える集団にならないと厳しい。戦術云々の前にそういう基本的なところが欠けていた」
特に強度の不足は守りきれない、相手に比べて走れていないという事象面にあらわれていた。田口のゴールシーンのように華麗にボールを動かし得点を挙げられる反面、試合に勝つために必要なものが欠けていた。
JFL、関東リーグ、都リーグの選手とスタッフを集めて東京を代表する選抜チームをつくろうという試みは、ある程度のところまでは出来たのだろう。しかし「流経さんは日本トップレベルの大学。力負け、強度負けした。最初の勢いで呑まれた」と和田コーチが言うように、茨城に勝つには十分ではなかった。
「(EDOは)今は関東にいるが、東京都サッカー協会にすごく成長させてもらい、お世話になった。その恩を何かの形で返せないかと個人的にはずっと思っていて、ここでチームづくりを手伝うことによって東京のサッカーに貢献出来るんじゃないかと思いコーチを引き受けたが、もう少し結果で貢献したかった。選手たちにも言ったが、やはり東京は強くないといけないし、常に国スポの本戦に出なければいけない。そのあるべき姿を取り戻すために選手、スタッフ、協会の人々が強い責任感と使命感を持って日々取り組んでいかなければいけないと感じた」
和田コーチはこう語った。東京都のクラブから選手とスタッフを集めてチームにするにとどまらず、今回理解した、関東予選を突破するのに必要な水準を満たすための努力が必要だという認識を、東京の社会人サッカーに携わる多くの人々が持つ必要がある。それが次回の国スポ出場に向けた第一歩になるのだと感じさせられた、夏の戦いだった。
(後藤 勝)
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