東京U、首位東チタ撃破で優勝の望みつなぐ
写真:先制ゴールを決める東京U・新明。(写真:小林渓太)
関東1部東京ユナイテッド 3-0 東邦チタニウム
シルバーウイークの9月19日から23日にかけて全5試合を開催する関東サッカーリーグ1部第17節でも、チャンピオンは決まらなかった。今節引き分け以上で優勝が確定する首位の東邦チタニウムをホームの小石川運動場に迎えた2位の東京ユナイテッドが3-0の勝利。勝ち点差は2に縮まり、得失点差では東京Uが東チタを2上回った。この結果、27日開催の最終節で東チタが引き分け以下の場合、東京Uは勝てば得点数に関係なく逆転優勝を達成することになった。
前半からほとんどの時間帯で優勢に試合を進め、終わってみればFW新明のハットトリックで大差をつけた。1位を争う直接対決であるため、東京Uが点差を1広げる度に東チタとの得失点差が2縮まる計算。試合前は+24の東チタに対して+20と4下回っていた東京Uだが、この部分に関しては+21の東チタに対して+23と一気に逆転した。最終節に勝ち点で並んだ場合は得失点差、それでも並んだ場合は得点数で順位が決定するため、今節が1点差の勝利に留まっていたケースでは最終節で東チタが引き分け東京Uが勝っても2位に終わることもありえた。最終節は勝敗のみを気にすればいい状況に持ち込んだという意味でも、価値ある勝利だった。
小石川で4連勝。台風直下でも力押しの強さ
台風25号の接近に伴う雨がどんどん強くなっていく人工芝のピッチで、東京Uは終始元気だった。東チタに持ち味を出させなかった要因について、キャプテンのMF平松は「相手のほうが立場的に有利であることは変わらない。自分たちのサッカーをして積極的に点を取りに行こうという話をしていた、そこが体現できたと思う」と語った。
この試合に限っては戦術面というよりもメンタル面で優った印象がある。すばやくボールを前線に供給して躊躇せずに足を振るという点では近いところもある両チームだが、より力押しで、力ずくで相手ゴールに迫ったのは東京Uのほうだった。
「ピッチコンディションでも多分相手のほうが難しい部分は大きかったな、というのもあるし、精神的にも自分らは『もうやるしかない』と(開き直れた)。東チタさんは優勝という大きいものがかかっていて、もちろんぼくらにもかかっているけれど、より精神的に有利に立てたのかな、と。不利な状況ではあったが、それによって優位に立ちゲームを運ぶことができた」(平松)
前半36分にMF木村のスルーパスをFW新明が決めて先制し、1-0で折り返した。そうなると同点に追いつきたい東チタは当然、後半の開始から攻勢に出てくる。それでも東京Uは屈しなかった。平松はここまでの反省を踏まえ、この時間帯を次のように振り返った。
「今シーズンを通して、点を取ったあとに押し込まれて失点するシーンが多くて。ラスト15分に失点して負けてしまったり、追いつかれてしまったり。そういうことがあったなかで、苦しい時間帯を一回、全員で共通認識を持って耐えて、そこからもう一回前に出ていけたというのが今日の試合の勝因かなと思う」
絶妙だった平松の落とし 次節は新明が出場停止
そこで光ったプレーヤーが平松だった。後半16分、新明のシュートが弾かれたあとの相手陣で東京Uは諦めずなおもボールを動かし、左右に揺さぶっていく。そして最終的にボックス中央に入ってきたボールに対し、これを平松が左足のウラで小さく落とす。そしてすかさず新明が右足を振ると、このシュートがゴール右上を衝き、ネットに吸い込まれた。一瞬の芸術的なラストパスだった。「最初はトラップしようかなと思ったが、新明が見えたんで『置いちゃおう、置いちゃえ』と思って置いたら、まあいいシュートを決めてくれた」と、平松。タイミング、判断、技術のすべてが高度だったこの2点目によってゲームの大勢が決まり、そして得失点差の問題を解消、逆転優勝に向けた下地が整った。
「累積で次の南葛戦に彼(新明)が出られないことで、次、じゃあどうやって点を取るんだというところもまたこの1週間の課題。ただ、彼に代わるクオリティの高い選手はトシさん(FW高木)含めて多くいるので、みんなでまた南葛戦に向けてやっていければ。自分たちは結局最後も勝つことでしか可能性を見出せない。もう本当にある意味吹っ切れた気持ちでやるだけかなと思う」(平松)
首位との直接対決に勝たなければあとがないという状況の突破に成功した東京U。これで、最後は1-0でも勝ちさえすれば可能性があるというシンプルな構図になった。たとえ新明が不在でも、いまの東京Uならそれを成し遂げそうだと感じさせるような強さが漂う完勝だった。
【関連記事】
・新明、圧巻のハットトリック
・東京Uが東チタに勝利 優勝争い最終節へ
関東サッカーリーグ





