日立ビル、高い守備意識で上位撃破
写真:ドリブルで相手と競り合う日立ビルの梅原。(写真:小林渓太)
7月19日、日立ビルシステムは日立柏サッカー場で関東サッカーリーグ2部第11節に臨み、神奈川県のエスペランサSCと対戦。2-1の勝利を収めて8位に浮上、降格圏の9位から脱出した。同サッカー部史上、初となる日立台での公式戦開催。日立グループの企業チームとして決して負けるわけにはいかない聖地で最大限にポテンシャルが引き出され、関東リーグでも稀に見る激闘の末、貴重な3ポイントを手に入れた。
関東2部日立ビルシステム 2-1 エスペランサ
史上初の日立台開催、一丸で勝利
前節終了時点の順位は日立ビルが9位、エスペランサが3位。実力には大きな隔たりがあるかと思われたが、蓋を開けてみれば、前半45分間は日立ビルが圧倒した。エスペランサの33番MF落合がドリブルで前進すると、中盤や最終ラインでこれを潰す。3バック両端のDF本山とDF角南がよく動き、エスペランサの選手たちに仕事をさせず、危険な状態でボックス内に進入させるようなシーンは皆無に近かった。
水も漏らさぬ守備が機能しているなか、前半19分、一度は右スローインからの攻撃を跳ね返された日立ビルは、再び右から浮き球を入れ、永野が頭で落としたボールが眼の前に落ちてきたところをMF五十嵐新が利き足とは逆に右足で叩き、先制。1-0とリードしたまま後半へと突入した。
だが相手もさるもの、エスペランサは後半3分、DF谷内の右手前からのフリーキックを途中出場のFW佐藤が頭で決めて1-1に追いついた。ここまでの順位を考えれば上位の相手に気迫で呑まれてもおかしくない試合展開だが、この日の日立ビルは勇敢だった。後半5分、FW鳥島が猛烈な勢いのプレスバックでボールを奪った辺りから、再び積極的な姿勢を見せると後半9分、左から仕掛けていったMF梅原がエスペランサの落合に倒される。落合はここで2枚目のイエローカードを提示されて退場。そして後半10分、梅原が自ら獲得したフリーキックを蹴ると、ひとり多くポジションどりも優位に立てる状況で五十嵐新がいいポジションに入り精度の高いヘディングシュート。勝ち越しに成功した。
あとがなくなったエスペランサは数的劣位など関係なく、同点に追いつくべくどんどんボールをゴール前に入れていこうとする。ボックス内での危険なシーンも増えたが、ここで数々のピンチに見舞われた日立ビルを守護神のGK長濱が救った。後半34分、右スローインからの流れで、至近距離で放たれたFW佐藤のシュートをまったく動じずはたき落とすと、その5分後の後半39分にはMF熊川のシュートを正面に落とし、抱えるようにして大事にキャッチ。勝利を引き寄せるビッグセーブだった。
「(1本目は)ボールが正面だったのでまだ良かったが、あれがもしサイドに行っていたら、どうなるかわからなかった。(2本目)あれも自分はいつも通り構えて先に動かないということを意識、いいポジション取りができ、シュートを正面に捉えたので、それに対応するだけだった」
味方のフィールドプレーヤーにスペース、コースを消させ、正対する状況をつくり、冷静に仕留める。長濱の落ち着きが光っていた。
「やっぱりキーパーは一番冷静でいなければいけないポジションだと思う。これまでは熱くなってしまうことが毎日あったが、この試合では相手が10人になっていたこともあり、よく冷静に対応できた」
このあとも日立ビルは全員が一丸となってボールを蹴り出し自陣から遠ざけ、あるいは相手陣のコーナーでキープして時間を費やし、クーリングブレイクもあり9分間と長くなったアディショナルタイムをしのいでタイムアップ。日立台にとてつもない歓喜をもたらした。
「なかなか勝てていない状況でのこの勝利は本当にデカい。これをきっかけにあと7試合勝っていければいいと思う。(奮い立った?)そうですね。やっぱりこの環境でできたことによって、本当にみんな奮い立たせるものがあった。それが一番だなと思う」
長濱は劇的な勝利の喜びをこう語った。9位にいた日立ビルが、決して負けてはいけない日立柏サッカー場で上位のエスペランサを下しての降格圏脱出。試合後に「HITACHI」そして「日立ビルシステム」の看板を背景に応援してくれた人々と記念写真を撮る姿が、これ以上ないほどに誇らしげだった。
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