COLUMN
垣見修平が都リーグと医療そして育成の現場で得たもの - #05
|後藤勝
#05
垣見はトレーナーとしての豊富な経験を積んだ身となり、社会人フットボーラーのコンディショニングについてあらためて考えることもある。
「学生から社会人になると、やっぱり練習量が一気に落ちる。会社に行って座っていることが多くなると、一日の運動量が明らかに減るじゃないですか。そうすると必然的に、気づかないうちにフィジカル的な能力が落ちてしまう。そこで自分にどう鞭を打つのか、大変ですけど、やっていかなきゃいけないのかなと思いますね。
東京23FCで11番を背負った山本孝平が、湘南ベルマーレから東京23に来て体重が落ちた、って言ってたんですよ。その筋肉が相当落ちてしまったという話を、昨日ふと思い出して。ジムに行っているのであればインボディ(※InBody、体成分を分析する装置)のようなものがあると思うので、そういった機器で体脂肪とか筋肉量の経過を見ていくだけでも、もしかしたらいいのかもしれないですね。
何カ月か経って、気づいたら筋肉量が減っていたという場合には、筋力トレーニングをちゃんとやらなきゃいけないですし。それと特に、平日はなかなかチーム活動が出来ないという選手の人たちは、自分で、ランニングなどでコンディションを整えると思いますから、少しでもいいので“減速・ストップ動作”のトレーニングをしたほうがいいと思います。靭帯の断裂などはこの止まる時に起こることが多いので。社会人の選手に長くプレーしてほしいので、そのように日々のコンディションを整えつつ、自分を知るというところが大事なのかなと思います」
リーグ戦の試合後にお風呂に入る、あるいはマッサージを受けに行くなど「自分でお金を稼いでいる社会人だから出来るリカバリーもある」と、垣見。
この言葉からは、彼が都リーグの選手から出発してJクラブの育成にたどり着くまでのキャリアで得た見識をサッカー界に還元する立場になってきていることがわかる。社会人フットボーラーのひとつのあり方として、興味深い人生を送っているようだ。
(了)