東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:ホームで今季初勝利を手にした南葛SC。

関東リーグニュース

「温かい応援に感謝」風間監督ホームでの初勝利に笑顔

写真:ホームで今季初勝利を手にした南葛SC。

MATCH REPORT後藤 勝

<関東1部:南葛SC 2-0 東京ユナイテッド>

 試合前には『燃えてヒーロー』が流れて雰囲気を高める。有料試合にも関わらず小ぶりなスタンドには722人のお客さんが集まり、日曜日の夕方にふさわしい賑わい。のどかななかにも活気が感じられるAGFフィールドで南葛SCの選手たちが楽しそうに躍動すると“キャプテン翼文化圏”とでも呼ぶべきすばらしい光景が出現した。

 東京ユナイテッドFCを相手に2-0の勝利を収めたあと、この賑やかさについて感想を求めると、風間監督はこう答えた。「すばらしいんじゃないか。いいね、こういう客席があるのは。やっぱりお客さんが南葛は独特だと思うんだよね。みんな本当に期待してくれている。みんな応援に来てくれている。ものすごく温かさを感じながらサッカーをやっているので、いいと思う」

 上着を外し、ジャージに入っているキャプテン翼のロゴを見せると「かわいいよね、これ。これを着て飲んでいるわけにはいかない(笑)。みんながそこに集まるシンボル。すばらしい」。クラブの根幹にある『キャプテン翼』の世界観と現実のフットボールが合致する幸せを、風間監督の笑顔は雄弁に語っていた。

 4日前の社会人代表決定戦では無得点で敗れた南葛。奪われないためのパスをする選手と、ゴールへ向かうためのパスをする選手とで意識が分かれた。しかしホーム開幕戦となった、この4月14日の関東リーグ第2節はちがった。全員がゴールに向かう意識でプレーするので、自然とボールが前に向かう選手に入ってくる。流れるような攻撃でユナイテッドを圧倒した。

「守備と攻撃は一体だから。自分たちが裏返しに出来ていれば、相手は簡単に前に来られない。自分たちが前向きでプレー出来ればいい。それから、少しだけど相手を見てサッカーが出来るようになっているので、そこはだいぶよくなってきたかなと思う」

 ショートカウンターのようになって相手の狙いである、奪って攻めるサッカーをされる場面もあったが、前向きのプレーで相手を背走させているため、基本的には攻めきったあと初期ポジションに戻れば危険は少ない。まさに攻撃は最大の防御。“ボールはともだち”とばかり、自分たち主体のサッカーを繰り広げて無失点で試合を終えた。

【ハイライト】南葛SC 2-0 東京ユナイテッド

 40人全員に“時間”の概念を仕込み、そのなかでさらに速くプレーする選手が出現してきているのが現在の状況。その速いメンバーがこの日は揃った。「まだまだ速くなるからこのサッカーは。ここで終わりじゃないから」と、風間監督。伸びしろがどこまであるのか。終わりはないのかもしれない。それゆえに、リーグ戦初勝利の感慨に浸ってはいなかった。

「選手がどのくらい出来るかをこれから一年間ずっと試していく。目先の一個ずつをやっているわけではない。チームがもっと成長しないと、強いチームにならないと意味がない。それは選手にも言っている。(1トップに置いた大前はどうだったか?)それはオレが聞きたいよ(笑)。オレらは確証があってやっているわけで。どこに誰を置こうが、そこに入ってこられれば全員が機能する。攻撃は全員が受ける場所をとりつづける。守備の時は自分のポジションに戻ればいいだけ。全部時間だから。その時間がわかっているやつは楽しそうにやった。まだ若干迷子になる選手もいるけれど、まだまだこれから伸びていく。いまは、なんとなくみんなが見えてきたところ」

 あくまでも長いスパンで成長していくなかでの1試合。まだ経験値を積み上げ始めたばかりだが、レベル2くらいでも楽しいサッカーで勝ちお客さんを喜ばせることが出来ている。そこが驚異でもある、南葛のホーム開幕戦だった。

楽しいサッカーで大前1G1A 理想は「キャプテン翼」
南葛2戦目で初勝利 東京Uに2-0
【ハイライト】南葛SC 2-0 東京ユナイテッド

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