東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:武蔵野 石村監督。(横河電機グラウンドクラブハウスにて)

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JFL横河武蔵野 石村監督「アマチュアクラブとしてトップ目指す」/(2/2)

 

 

アグレッシブにゴールへ向かう姿勢を
選手層厚く 競争激しく 全員に期待

── 監督としては今季2季目。去年の経験がアドバンテージになると思うが、改めて今季の目標、どういったサッカーを披露したいか。

「目標はもちろんアマチュアのトップ。リーグ優勝を目指し、天皇杯予選も突破して本戦で躍動したい。サッカーに関しては先程言ったようにまずはゴールを目指すこと。特に攻めに関してはトレーニングの時から色濃く出している。コンパクトな陣形を作りながら攻守の攻防を経て、シュート、仕掛ける、縦パスで裏を取る、とにかくゴール方向に向けなかったのか、行けなかったのかは常に要求している。それに今年は38名と選手層が厚くなったし、競争も激しくなった。誰が出たとしても見ている人にアグレッシブにゴールへ向かっていくところを披露したい」

── 実際、開幕2試合を終えて1勝1分け。やろうとしていることは試合の中で出せているか。

(成績はインタビュー時点のもの ※公開時の成績は1勝1分け1敗)

「2試合で結論を出すのは早いが、この2試合だけを見るとだいぶ表現してくれている。開幕戦の枚方とのゲームは1-1の引き分けだったが、スタートから何度もシュートに持っていけたし、少し『無理やりかな』と思うくらい縦に抜けて、パス、シュートというシーンが多かった。2戦目のミネベアミツミとの試合は強風で苦労しながらも、交代のカードを切った選手が頑張ってくれた。そこはやはり選手層のところ、そういう展開もあるだろうと思った形がそのまま出てくれた。まだ2試合だけだが、悪くない印象はある」

── 今季は後半途中の選手交代のタイミングでサッカー自体もスムーズに切り替わっている印象がある。例えば10番後藤選手が入ると、ポゼッションが上がり、人よりもボールが走るようになったりもする。

「後藤だけでなく、阿部など途中からセットで出している選手はある程度ボールを握るのが上手な選手たち。繰り返しになるが、“今は”試合序盤のうちはストレートに相手とやり合う体力削りなサッカーをして、後半途中からボールを握れるところは握って、テクニカルな部分を出して勝負を決めに行く。その流れは悪くないと思っている。もちろん逆の考え方もあって、去年の最後の方は比較的ゲーム終盤まで槍を残しておいて、0-0で進めて最後に仕掛けるという戦いだった。でも今年は選手層を見て、自分なりに判断したのが、最初に頑張ってもらって相手が落ちてきたりスペースがうまれたら、テクニカルな要素、要は状況判断ができる選手を増やして戦う。それがこの2試合はいい方向に出ている」

写真:ゲームをコントロールする10番後藤。

ゲームをコントロールする10番後藤。(写真は2023年)

── 今季の注目選手を挙げるなら。

「みんないいと思う。あえて新しく加わった選手でいうと、関東1部のジョイフル本田つくばFCから入った鈴木龍之介。開幕から2試合続けてボランチでフルタイム使っているが、こんなにやれるんだと感じた。それに彼はセットプレーもいいボールが蹴れる。あとはベテランの阿部拓馬がどれくらいできるか。あまりベテラン臭を出してほしくないが、試合に出して使えば使うほどこんなこともやってくれるんだと驚くこともある。アカデミーの時からプレーの印象はどんどん変わっているが、やはり彼はゴールゲッター。クロスに飛び込んだり、こそこそっと裏を取ったり、上背はないがヘディングもうまい。戦況を見極めて、点を取りに行くという匂いを感じさせてくれる選手だと思う。もちろん10番の後藤も今はスタメンで出れずに悔しさを感じているだろうし、それに他の出れていない選手もそう。まだ2試合を終わっただけだし、今の時点で特別誰というよりも、今年は選手層も厚くなったし、全員に期待してほしい」

写真:昨年の地域CLで活躍した鈴木(つくばFC)は今季武蔵野に加入。

昨年の地域CLで活躍したつくばFCの鈴木(右端)は今季武蔵野に加入。

── 30日にはクリアソンとの東京勢同士の対戦もある。

「うちは特別相手を見て戦い方は変えないので、自分たちのやることをより突き詰めて戦うだけだと思う。クリアソンさんはスタート2試合が0-4という結果だったが、あのチームは関係ない。必ず切り替えて立て直してくるチームだし、むしろその勢いにのまれないようにしたい」

── 最後に武蔵野を応援してくれる人にメッセージを。

「やはりアマチュアのこのレベルでずっとJFLにいて、一度も降格したことがないというチームは稀有だと思う。もちろん企業チームとしてHondaさんやソニーさんもいるが、そういったチームに比べてもより社会人として仕事の両立に特化しているし、練習も19時から21時で『残業で練習に出れません』という選手もたくさんいる。そういったバックボーンを知ってもらいながら見てもらうと『こいつらサラリーマンなのにJFLで意外と頑張るな』と思ってもらえるかもしれない。ただ、そのメッセージを出すためにはやはりいいサッカーをして、特に今季掲げているアグレッシブさを見せていかなくてはいけない。半分プロみたいな選手たちときちんと渡り合う、面白いなと感じてもらえるようなゲームを見せられたらと思う」


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