写真：後半にゴールを狙う及川だが決められず。

　東京都リーグ選抜と埼玉県リーグ選抜による第32回東京・埼玉社会人サッカー交流戦が7日、埼玉県加須市のSFAフットボールセンターで行われ、東京は2－5で敗れた。東京が敗れるのは2015年以来9年ぶりで連勝は7でストップ。通算成績は東京の14勝3分け12敗となった。

　東京は増嶋竜也監督（SHIBUYA）が参加できず小松桂太コーチ（アストラ）が代行で指揮を執り、また急遽EDOの竹村健汰と瀬戸匠海がケガで辞退し、代わりに同チームの前田海と田中恭司が参加。さらにSHIBUYAのGK佐藤海斗も当日欠席になるなど、慌ただしく交流戦を迎えた。

　8連勝を狙う東京は開始わずか10分に中島秀隆（CERVEZA）のゴールで先制したが、その後は前半のうちにミドルシュートを叩き込まれるなど3失点。後半も2点を奪われるなど終始埼玉に主導権を握られたまま敗れた。

つながり披露も怖さ欠いた東京

　急造チーム同士の対戦でありながら、東京はボランチの引間と石川を中心にボールを左右に散らしながらつながりのあるパスワークで攻め、10分に左サイドから石川が入れたボールを政森が軽く背後に流し、それを中島が右足で仕留めて幸先よく先制した。だが、そのわずか1分後にCKから失点して同点に追いつかれると、以降は徐々に埼玉にペースを握られた。

　埼玉は東京とは対象的にシンプルな攻めを徹底。風上に立つ優位性を生かし、東京の背後に長いボールを入れて勢いよく向かってきた。194センチのCF宇佐美を目がけるロングボールの競り合いこそ東京のCB成田の完勝に終わったが、その周囲に居座る埼玉の10番大島（COEDO KAWAGOE）の動きを東京はなかなか制御できず、そこに意識と寄せの人数をかけると今度はサイドが手薄に。結局、この日の東京は中央とサイドを守備陣が行き来しているうちに自陣エリア手前のスペースを空けるはめになり、そこからミドルシュートを次々に叩き込まれた。

　2点を追いかける後半、風上に立った東京はリーグ得点王の及川をピッチに入れ、中島と政森の3人でFWを形成。だが、引き気味の埼玉に東京はスペースを消されてスピードに乗った攻撃を展開できず、次第に手詰まりへ。すると、57分に自陣左サイドをカウンターで破られ、最後は中央につながれたボールを大島に鮮やかに蹴り込まれた。東京も62分にようやく及川のクロスを中島がヘッドで決めて2点差としたが、反撃ムードも長くは続かず74分に再びサイドから崩されて大島にハットトリックを許し5失点目。勝負は決した。

【写真】試合を終えて両チーム入り混じっての記念撮影。

　90分を通してみれば東京は急造チームとは思えぬつながりを見せた一方で、形にこだわるあまりゴールへ向かうスピード感や2列目からのミドルシュート、成田らの高さを生かしたセットプレーといった怖さや積極性が乏しく、逆に埼玉の10番大島とそれを取り巻く若い大学生らの衰えぬ体力やシンプルな攻撃に失点を重ね完敗。2016年から続いた連勝がついに途絶えた。

東京都・埼玉県社会人サッカー交流戦

• 東京都リーグ選抜 2－5 埼玉県リーグ選抜
  【得点者】
  10分 中島 秀隆（東京）
  11分 宇佐美 良介（埼玉）
  36分 佐藤 優斗（埼玉）
  45分 大島 龍斗（埼玉）
  57分 大島 龍斗（埼玉）
  62分 中島 秀隆（東京）
  74分 大島 龍斗（埼玉）

【先発（東京）】
GK 関根 宏一郎（アストラ）
DF 高橋 海人（八王子）
DF 安元 奨（FLUTTO）／HT' OUT 74' IN
DF 成田 一輝（東京蹴球団）／74' OUT
DF 中畝 楓流（東京海上）
MF 引間 俊也（三菱養和）／HT' OUT
MF 石川 颯人（八王子）
MF 梅津 怜央（Intel Biloba）／HT' OUT
MF 泉 勇也（アローレ）／HT' OUT
FW 政森 宗治（SHIBUYA）
FW 中島 秀隆（CERVEZA）

【控え（東京）】
DF 前田 海（EDO）／HT IN
MF 川野 太壱（CERVEZA）／HT IN
MF 田中 恭司（EDO）／HT' IN
FW 及川 朝日（23FC江戸川）／HT' IN

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