東京選抜 福田監督インタビュー 大会を終えて(下)
いずれは国体の経験を伝え、将来の担い手をつくる役割に
── ご自身としては今後東京の国体チームにどんな関わり方ができればと考えているか。
「国体は社会人のフットボールコミュニティとしては非常に意味のあるものだと思っている。もちろんそこには本気で向き合って、本気で戦って、勝つか負けるかがなければ意味はないと思うし、単に国体の場を用意することが社会人フットボールの繁栄につながるとは思っていない。でもそういう環境づくりはしていきたい。僕自身はもう8年近く協会のメンバーで、ゆくゆくは執行サイドに行くようになるだろうし、そうなると特定のチームだけを考えてもいられない。現場というよりかは環境を整備する側で関わっていかなくてはいけないと思っている。
それと国体のコミュニティは横のつながりや将来の担い手を作る場としては非常に重要で、誰かがその役割を担っていかなくてはいけない。それこそ今回のスタッフ、さらには選手の中にも小松や廣澤だったりが、いずれはこの国体は俺たちがやらなきゃと思ってもらえたらそれは本望だし、僕自身も彼らに背中を見せる場だと思ってやってきた。そういう目のある人間を呼んで、きちんとたすきが繋がっていく。そうしていかなくてはいけない。
僕は社会人選手たちがプレイヤーとして終えたあとも、社会人フットボールという大きなコミュニティの中でサッカー人生をきちんとイメージさせたいなと思っていて、そういった意味でも国体は有効活用したほうがいい。僕自身も10年前には気付かなかったことに、このコミュニティを通じて、色々な人とのつながりの中でたくさん気付かされた。特に国体というのはそれがすごく凝縮されている。
国体の練習会で選手に話をする福田監督。
最初の質問に改めて答えると、僕自身が国体にどう関わるかは、やはり人選含めてこの国体のクオリティを担保するためのフィルターになりたいと思っている。単に東京のユニホームを着たいという選手だけならまだしも国体のコーチ、監督の箔がほしいだけの指導者も正直いる。そこはやはり本当に思いがある人たちに背負ってやってもらわなくてはいけないし、誰かがひとつの軸に沿って見続けることが必要で、僕自身はそういう役割になりたい。
それと押し付けでも何でもなくて、成功でも失敗の経験であってもそれをきちんと経験値として国体のことを伝えていく人間が必要。今までの国体は正直、何も引き継がれてきていなくて、監督が変わってまた一からチームを作っていくの繰り返しだった。国体で本大会に出た、出なかった、それももちろん大事だが、やはりきちんとタスキを繋げていく、また将来の担い手を作る。そういった伝えていく、繋げていく役割にはなりたいと思う」
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