東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:東京は代表決定戦で敗れて本大会出場ならず。次回は2025年に開催。

国民体育大会ニュース

東京選抜 福田監督インタビュー 大会を終えて(下)

写真:東京は代表決定戦で敗れて本大会出場ならず。次回は2025年に開催。

 

福田監督インタビュー 大会を終えて(下)

次回は2025年に開催 2年後に向けて

── 次回から国体・成年は隔年開催になる。次は2年後の2025年。ここから次に向かっての2年間と考えるのか、もしくは25年が来た時にこれまでと同様に準備を進めるのか。そのあたりの考えは。

「個人的にはここからの2年と考えて動き出すよりも、これまで通り25年になった時にまた始めるしかないと思う。やはりそこに費やすマンパワーなどを考えると無理な理想は掲げられない。僕は東京1部の選手たちは練習環境がないから、国体の練習会という名のもとに、来年も選考を兼ねてトレーニングができる場を用意できればすごく意味があると思っている。けど、それを実際に運用しようと思うと、まず監督・コーチといったスタッフがいないし、そういう場を設けたところでどれだけ集まるか。東京1部の上位チーム、大学生はすでに平日の練習環境はあるし、関東のチームにしたって平日に練習しているので国体に参加となると2部練習でしかない。ボールだけ蹴りに来て帰る人がどれだけいるの?となってしまう。2年後の国体に向けてやっていきましょうと言ったところでなかなか響かないし、社会人連盟の労力だって相当なものがある。結論的にはまた25年が来た時にこれまでと変わらずにスタートするしかないと思う」

── 次回、ご自身が監督をやるかやらないかは置いておいて。25年にこれまで通りスタートする場合、今までと違った新しい取り組みは必要になるか。監督選び、選手の集め方、方向性など。

「結局、監督によって選手の選び方、スタッフの選び方もすべて連動すると思う。変化というだけで社会人フットボールをよく知らないプロ監督をいきなりこの環境に連れてきたところでうまくはいかないはず。当然のように選手が用意されている環境でもないし、それを選手だけ無理に揃えて一見プロっぽく見せたところであまりチームとしては機能しない。もちろん関東のセミプロの選手たちが『関東リーグと同じ強度と意識で国体に臨みます』って全員が揃うなら、指導者もそれに合わせて連れてくればいい。でも、それにはお金もかかるだろうし、そこまでやる意味はあるのかなというのはある。まずは社会人連盟としてどういった方向性で戦うかを決めて、あとはそれに沿った選手とスタッフを呼べばいいだけ。ただ、個人的には今年のチームスタッフ、選手のレベル感が現段階の最高到達地点だと思うし、だったらそれに合わせた監督でいいのかなと思う。日本のサッカー界や東京のサッカー界からも一定のリスペクトがあり、なおかつ社会人サッカーを把握できている人、そういった人選になるのかなと思う」

── 一方で国体の価値が難しくなっている中で参加する選手、選ばれた選手たちは東京の代表として、プライドを持って戦うために国体への参加をどう捉えればいいか。

「結局、プライドを持てるかどうかも最終的には選手たちが『俺たちは選ばれた選手だな』って実感できるか、また、そういう監督のもとで選ばれたかどうか。それがあって初めてこのチームのステータスはこのレベルにあるんだなと実感できる。そのステータスを上げるのも結局はスタッフィングや選手選考のところに尽きる。だから、監督としても指導者としても一定のリスペクトを持たれる人を監督に据えないと、そこに集う選手たちも東京の代表チームとは思えないはず。

 それに、そもそも『東京を背負ってプレーするってどういうことですか?』と僕は思う。もちろん選手は選抜チームとして色々なサポートがあってプレーできていることを理解しなくてはいけない。でも、東京を背負うということを口で言うのは簡単だが、具体的にそれを定量化、定型化して選手に伝えるのは簡単じゃない。だからこそ、それを言う監督自身がまずはそれなりに東京を背負っている人じゃないと難しい。そこでいうと今回僕はギリギリ、東京ユナイテッドの代表でもあるし、東京協会の一応ボードメンバーでもある。言葉は悪いが、その一つのステータスみたいなところはあったのかなと思っている。

 これが全く東京に関わりがなく、サッカーだけのステータスの人に東京を背負って戦えと言われても、選手からすると具体的にはよくわからないだろうし、今回の堀田や小松、長井にしたって僕じゃなかったら参加しなかったかもしれない。彼らに対しても、きちんとリスペクトできるような人を据えないと実際には難しいと思う」

── ご自身が考える東京を背負うということは。

「僕自身はチームに選ばれて、用意された環境に感謝して、そこでハードワークする、自分の力を出し切る、それが東京を背負うということだと思う。もちろん『今年も本大会に出られなかった』、『選手たちは本当に東京の代表としてプライドを持ってプレーしていたのか』という意見もあるかもしれない。でも、選手たちはあの暑さの中で信じられないくらいのハードワークをしてくれたし、十分に東京を背負ってプレーしてくれたと僕は思っている。そういった意味では今年のチーム編成に間違いはなかったし、限られたリソースの中ではベストな選択をしたと思う」

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