降格のZION林監督「ZIONの良さが消えるわけではない」
写真:選手を送り出すZIONの林監督。
東京1部のZIONは18日の東京蹴球団との試合を1-1で引き分け、最終戦を前に今季の18位以下、来季の2部降格が決まった。試合後、林監督は「1点差負けが多かった。うちが勝たなくてはいけない試合をことごとく落としてしまった」と今季を振り返り、また、来季に向けては「ZIONの良さが消えるわけではないし、たくさんの人に応援してもらう中で感謝の気持ちを持って戦うことに変わりはない」と話した。林監督との主な一問一答は以下の通り。
林 洋平監督
ZION FC
── 去年1部に復帰して13位で残留を果たした。そこから今季は補強も含めてどんなスタート、チーム作りを考えていたか。
「去年久しぶりに1部に復帰してFWユン・ヨンスンという絶対的なエースに頼ったサッカーの中で、ぎりぎり残留を果たした。それを今季は経験のあるFW竹中だったり、他の選手含めて獲得して、ヨンスンにすべてのエネルギーがいかないように、分散して攻撃力をつけたいと考えた。また、去年は失点も多かったのでセンターバックの川里なども獲得した。ただ、メンバー的には申し分なかったが、うまく結果には結びつかなかった」
── 開幕戦はアストラに4-0で勝利。いいスタートが切れたがそこから勝てなくなった。
「ワンチャンスを決められてしまうとか、1点差での負けが多かった。特にうちが内容的にも絶対に勝たなくてはいけないゲームをことごとく落としてしまった。さい先は良かったが、開幕戦以降は詰めが甘かった」
── “ヨンスン頼み”のサッカーからチェンジを図り、結果的に今はどういった感想を持っているか。
「結果は出せなかったが『うちが勝ってたよね』とか、うちが絶対に勝たなくてはいけない試合が5、6試合はあった。そういう意味では去年よりも内容的には前進したと思うが、結果としては後退してしまった。内容は良かったと思う」
── 途中で結果重視、元のサッカーに戻すことはしなかったのか。
「メンバーを変えたり、システムを変えたりという程度。特に内容が悪いというわけではなかったので。どちらかというと、戦術的な部分よりもあと一歩足が出なかったり、最後の集中力が切れてロスタイムにやられるとか。メンタルやフィジカルの部分が足りなかったと思う」
── 当初は倉下監督でスタートを切ったが、途中で倉下監督を選手に戻し、代表の林さんが監督という形をとった。そこは倉下さんが選手の方がいいという判断だったのか。
「開幕戦以降に勝てなくなった原因として、中盤の選手層の薄さがあった。そこで彼とも話をして、彼も納得する形で選手に復帰してもらい、ピッチ内からチームをコントロールしてもらう形に変えた」
── 最終戦を前に2部降格が決まってしまった。改めて今は降格をどう受け止めているか。
「もう決まったことなので受け入れるしかない。2部に降格するからといってZIONの良さが消えるわけではないし、たくさんの子供が応援にきてくれたり、たくさんの人に応援してもらう中で感謝の気持ちを持って戦うことに変わりはない。これからも社会人サッカーの魅力、子どもたちに夢だったり、大人、社会人になってもサッカーを競技として続けられる素晴らしさを伝えていきたい」
── 今の段階で答えるのは難しいかもしれないが、チーム的には1年で1部復帰を目指して戦力を揃えて戦うつもりか。
「もちろん目標はしっかり定めたい。今年は選手もプライベートの面で、結婚だったり、子供が産まれたりでなかなかサッカーに時間を割けない選手も多かった。ここでもう一回、来季選手としてサッカーを続けるか、続けないかのジャッジをしながら、またみんなで立て直していきたい。チームとしていい方向に進めたらと思う」
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