東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:EDO戦に敗れて肩を落とす東蹴の選手たち。

東京都リーグニュース

「一番大事な週末」に敗れた東蹴 あと3試合に集中

写真:EDO戦に敗れて肩を落とす東蹴の選手たち。

MATCH REPORT後藤 勝

<東京1部:EDO 3-1 東京蹴球団>

 全国クラブチーム選手権・関東大会と東京都社会人サッカーリーグ1部のEDO ALL UINTED戦が待つ26、27日を「この土日が今シーズンで一番大事な週末だという意識でみんな過ごしてきた」(上田監督)東京蹴球団だったが、26日のクラブ選手権関東大会1回戦はPK負け、EDO戦は前半から得点を許しての敗戦と、失意の結果に終わった。

 都リーグはチーム事情や戦術的なかみ合わせの影響で順位表通りの内容にならない試合も多々ある。EDOと初めて対戦する東蹴は前半45分間の終盤に選手をふたり替え、そこから対応していったが、相手のやり方に慣れるまでに2失点。後半は開始早々にチャンスを作り、スコアも後半に限っては1-1と五分で、盛り返したと言っていい内容だっただけに、もったいない敗戦だった。一発勝負の難しさを味わったクラブ選手権も含め、実力を出しきれなかった悔しさが残る。

東蹴、PK戦で敗退 クラブ選手権関東大会

 廣澤、成田といった主力をけがで欠くものの、個々の士気が高い東蹴は選手の集まりがよく、27日がクラブ選手権の代表決定戦と都リーグとのダブルヘッダーになった場合も想定してメンバーを準備していた。実際、クラブ選手権のFC PICARO戦から24時間以上が空くことから、連戦となった選手も一定のリカバリーは出来ていたようで、上田監督も「体力的なハンデは全く感じなかった。決してコンディションが悪かったわけではないと思う」と言うほどで、動きは悪くなかった。

 初顔合わせのEDOがランニングとボールの上下動を激しく繰り返し、スペースを空けようとするやり方を採っていることには前半のうちに気づき、修正に踏み切った。

「自分たちがチャレンジカバー出来る距離に戻しましょう、と。それも場合によってはもう少し(後方のゾーンに)落ちて、しっかりセットしなさい、と。ディフェンスラインを下げてでも、まずは選手間の距離、上下、タテのスペースを空けられないようにという修正で前半で一度選手を替え、さらにハーフタイムで整理して、スペースを消しつつどこかでオフェンスに出なきゃいけない、という話をした」(上田監督)

 後方をコンパクトに構えることをベースに戦った後半45分間、それでも毎日練習をしているセミプロ集団であるEDOに走り勝たれて速攻でシュートに持ち込まれたが、1失点に留めて戦う力強さを見せた。1点を返したのは巨躯を誇るFW氏橋のゴールだった。左のアウトサイドの選手だが、ストロングポイントであるサイズの大きさを活かすべく、今夏から真ん中の前目で起用してきた。野性味あふれる闘志がすばらしかったが、しかし氏橋だけでなく、チーム全体に悔しさをはじめとする感情の発露もあれば、フィジカル的に全力を出している球際もあり、都リーグ1部という舞台で真剣にコンペティションに向き合う姿勢は明確に伝わってきた。上田監督はこう言っていた。

「上のカテゴリーをめざすようなチームがどんどん出てきていて、今日の相手も選手はプロ契約で毎日練習している。そのなかで、ぼくらは社会人として、ぼくらが出来る環境でどこまで最大限出来るのかっていうことをめざしていかないといけない。みんなわざわざ日曜日に集まって、今日だって26人集まって8人はベンチに入れていない。彼らに対して、試合に関わっている18人がどういう姿を見せられるのかはすごく大事なポイントだし、相手に対してのリスペクトも含めて、やっぱりぼくらが手を抜くというのはチームとしてあり得ない。それはもともと持っている空気ではあるが、続けていきたいなと思う」

 義務ではなく自らの意思で活動するアマチュアのクラブは、実際にプレーをする選手の意欲が高くなければ成り立たない。EDO戦の敗戦で関東社会人サッカー大会進出は厳しくなったが、残り3試合、社会人フットボーラーの本質についての自覚が強い東蹴が、誇り高き戦いを演じてくれることを期待したい。
【後藤勝】

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