東京海上MF小松が打った逆転の布石
写真:試合後に笑顔を見せるMF小松。後半途中から出場し活躍した。
MATCH REPORT後藤 勝
<国体関東予選:神奈川 1-2 東京>
東京ユナイテッド、東京ユナイテッドプラス勢にエリース東京、東京海上の選手が加わるかたちで編成された今回の東京選抜。唯一の企業クラブである東京海上からは29歳のMF堀田、そして31歳のMF小松という両看板が参加している。東京Uの若い選手が多いなか、ふたりのベテランが果たす役割は大きい。
堀田は10番を背負いながら3-4-2-1の左ウイングバックとしての役割を全うした。そして小松は8番を身に着け、ベンチで出番を待っていた。
「勝っている時に関してはクローザーというか、最後をしっかりと閉める役割。チームとしてバランスが悪い時に関してはしっかりとバランスを整えるかたち。そういう風に見てもらっているので、自分が何が出来るかを考えながら試合を観ていたし、そういう意気込みで臨んでいた」
1点ビハインドで迎えた後半、まず投入されてからの約30分以内に、可能な限り早く逆転ゴールを決めるため、それに必要な状態にチームを整える仕事をしなければならなかった。
「2シャドーをしっかりと前でポジションをとらせてあげることが大事だと思っていた。彼らを下げすぎず、2ボランチであるぼくと杉山が前向きで守備をしながら押し込んでいって、ラインコントロールをして、なるべく相手の陣地の高い位置でプレーをすることを心がけて入った」
ボールを運べるようになって最初のセットプレーで瀬川が同点弾。なかなか前にボールが入らなかった前半からすれば雲泥の差だった。その後、上村が決めて2-1としてからも、小松の計算が光っていた。
「まず勝っている時間帯だったので、ラインが重くならないようにと心がけた。しっかりとマイボールにするタイミングなのか、それとも簡単に背後をとりに行くサッカーをするのか、このバランスが、短い時間の中では難しいと思っていた。そういう意味では、しっかりと割り切ったプレーが出来たところが勝ちに結びつけられたポイントだった」
関東リーグのクラブチームに所属する選手たちにまじり、東京都社会人サッカーリーグ1部の、しかも企業チームの選手としてやってきた小松には、この東京選抜にもたらしたいものがあった。
「ユナイテッドやエリースの選手は平日にトレーニングがあり、日頃からサッカーをしている。だから身体が動くし、ボールを蹴っても巧い選手が多い。それに対してぼくだったり堀田みたいな都リーガーの選手が、なかなかそういう時間をとれないなかでも、どういうパフォーマンスを見せられるのか。それ以上に、社会人サッカーとしてのプライドを持ちながら、こういった国体というレベルの高いメンバーと一緒にサッカーをやらせてもらえるなかで、何かを伝えてあげられるようなプレーが出来たらということは常に心がけている。そういう意味では、しっかりと声を出す、しっかりとハードワークする、強度を求めるところは求めるというところが、自分には求められてると思っているし、プレーとしても表現していきたい」
社会人プレーヤーの一角としてあすも活躍が期待される。
【後藤勝】
特別国民体育大会関東ブロック大会