写真：関東大会出場の可能性が潰えた東京海上。

MATCH REPORT後藤 勝

＜東京1部：東京海上 1－4 FC N.＞

　残り3試合に全勝して関東社会人サッカー大会進出の可能性を残したい東京海上だったが、開始3分の失点で望みが潰えた。FC N.の23番、右サイドバックの新井は全国高校選手権でも名を馳せたロングスローワーだったが、ゴール前の枠内に到達する一投を許し、先制された。「今日に関しては、試合前に『絶対これだけはしちゃいけない』とメンバーに言っていたことが前半にすべて出てしまった」と、村上監督は苦渋の表情を浮かべた。

「ただ、後半だけを見てみると、ウチは全くそんなチームでもない。後半みたいな試合が出来ればそんなに簡単に負けるような相手はリーグにいないと思っている。それを再現性をもって毎試合、前半も後半も両方とも出来るようになっていかないといけなくて、それが、昨年度は出来ていたものが、今シーズンはなかなか出来ず、この結果につながっていると思う」

　まだ選手たちが試合に入り切っていない序盤の時間帯に隙を衝かれて失点したことで、立て直しにくくなってしまった。2失点のあとにピッチ内で円陣を組んだが効果はなく、前半のうちにトータルで4失点。ハーフタイムに戦術とメンタル面を修正してようやく後半アディショナルタイムに途中出場FW藤沢のゴールで1点を返したが、勝敗はさておいたとしても、意地を見せるのにも苦労した。

・N. 得意の空中戦で4ゴールを重ね大勝

「相手の強みであるロングスローには絶対気を付けなければいけないと口酸っぱく言い、かつ立ち上がりに点を獲ると大学生はノリノリになってくることもわかっていたが、そういう展開になってしまった。今日は本当に、あの1失点目がすべて」

　10番堀田を前線で起用し、ミドルシュートで気を吐く場面もあったが、チームとして有効に使うまでは至らなかった。チームとして完成しきらなかったことが、最後に弱さとして出たのかもしれない。この試合までに勝点を重ねていればこの日にこれほどプレッシャーがかからなかったとも言える。

「来シーズンのことを考えるのはまだ早い」と、村上監督。CERVEZAとSHIBUYAに勝って2連勝でシーズンを終えることが当面の目標となるが、来季には新戦力も加わり、選手層は厚みを増すだろう。今季達成出来なかったチーム力の不足をどう補うかを考えながら、あと2試合を大事に戦っていきたいところだ。
【後藤勝】

・【ハイライト】東京海上 1－4 FC N.

東京都社会人サッカーリーグ1部

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