セルベ底力発揮中島ロスタイムに2ゴール

2023年7月18日

写真：後半ロスタイムに同点ゴールを蹴り込むFW中島。

【東京1部】ZION 4－4 CERVEZA

　前々節のEDO戦でロスタイムに2点を奪って逆転勝ちをおさめた成功体験が身体に刻まれていたのか。さすがに後半ロスタイム2分を過ぎた時点で2点差を追いつくのは無理だろうとも思われたが、今回もやってのけた。勝ち点3には届かなくても、残り2分ほどで2点を奪って勝ち点1。

　その2点を決めた中島は「前々回はロスタイムに追いついて逆転できたし、前回の試合も先に点を取られて逆転した。1点、2点差くらいまではロスタイム含めて全然やれると思っていた。特に相手は途中からGKが素人だったし、打てば何かが起きるだろうと思った」と淡々と振り返った。

　1点差に迫ったPKは相手のフィールドプレーヤーが急遽GKに入る形。それでもこの日の流れからすると今日はZION側に勝利の女神が微笑みそうな雰囲気もあったが、中島は「落ち着いて蹴れた」と確実に決め、あっさり自らに流れを引き寄せた。

　直後の同点ゴールも単純な勢い任せに見えるが、CB金澤を前線に残す戦術的パワープレーで、「PK以降は（金澤）拓真を前線に残して、チームとしても彼を信じて前にボールを運ぼうとした」。その狙い通りに、金澤が頭で競り勝ったバウンドボールを中島がよどみなく背後に流れて、右足で豪快に蹴り込んだ。

　最後の最後まで冷静にチームとしてやるべきことをやってのけての同点劇。とはいえ「勝てば上位争いにしがみつけたのに自分たちの手で取りこぼしてしまった。この結果はネガティブ。もう背水の陣」（中島）。劇的な幕切れにも中島含めピッチを引き揚げるイレブンに笑顔はなかった。

東京都社会人サッカーリーグ1部