東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:東京海上は終了間際に佐藤が逆転ゴールを決めた。

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東京海上 長期離脱から復帰の佐藤が劇的決勝点

写真:東京海上は終了間際に佐藤が逆転ゴールを決めた。

MATCH REPORT後藤 勝

<東京1部:東京海上 3-2 ZION>

 5月21日に東京海上FCとZION FCの第7節がおこなわれ、東京海上が3-2で勝利を収めた。連敗を5で止めたいZIONが一歩も引かず途中まで1-2とリードしていたが、最後の10分間で東京海上が2点を奪い逆転した。

 尹英勝と竹中、強力な2人のストライカーがベンチに控えるZIONに対して前半のうちにゴールを決めておきたかった東京海上だが、CKを数多くとるものの得点に結びつかない。これに対してZIONは27分、この日から選手登録をしてボランチで出場していた監督の倉下が蹴った左CKをDF木下が豪快にヘディングで決めて先制した。後半に入って63分、MF田中健太のゴールで東京海上が追いつくも、FW竹中の投入で相手陣に押し込めていた時間帯の66分、昨年の国体選抜にも呼ばれたFW大音がカットインしての左足シュートを決めてZIONが再び勝ち越し。勝負は決まったかに見えた。

 しかし追い込まれた東京海上が終盤に猛攻を見せる。ボールを支配してZIONの守備組織をゴール前に釘付けにさせると、跳ね返ってきたボールを数的優位の3バックで回収。左の大外で常に余る10番堀田に渡し、次々にクロスを入れていく。85分に田中健がシュートのこぼれを叩き込みこの日2点目を決めて追いつくと、最後はアディショナルタイムの93分に左の堀田からのクロスに対してニアに走り込んできた佐藤が身体ごと押し込むようにしてネットを揺らし、決勝点をマークした。

 後半途中まではZIONのゲームだったが、村上監督が「我々は運動量や球際のところを90分間やりつづけて相手を上回ることをベースにしている。ラスト15分になってきたらあとは精神的なところ」と言うように、一歩、あるいは半歩先にボールに触り、ハードワークでボールを拾い動かしつづけたことで終盤、東京海上が一方的に押し込んだ。

 劇的な白星をもたらした佐藤は昨年手術をし、今シーズン1年半ぶりに実戦復帰。まだ右脚はテーピングでガチガチではあるものの、このZION戦で無事に復帰後初先発。ボールフィーリングがまだ回復せず、2度ほどあったチャンスでシュートを枠外に逸らしてしまったが、最後の最後で貴重なゴールを決めた。

「コンディションがやっと戻ってきた。“抜け出し”ではいい形をつくれて、(シュートポジションに)入るところも感覚的に戻ってきた。あとはシュートの感覚を戻せればいい」と、佐藤。

 いい場面に顔を出せるからこそ外したシュートが目立ってしまうが、それだけ動き出しやポジショニングが冴えているということ。ゴールの場面も、相手が引いてスペースがないなかでアーリークロス気味に入ってきたボールを見逃さず、キーパーの前でボールに触ろうと瞬間的に飛び込んだ姿勢が功を奏した。

ZION、テコ入れも逃げ切れず 残り10分課題

「めちゃめちゃ嬉しい(笑)。全員で諦めず戦えて、最後、自分のところにたまたまボールが来たが決められてよかった。(東京海上の強さが出てきたのでは?)今日で証明出来たかと思っている。どんな相手に対しても自分たちがやるべきことをやれば勝てるという自信にもなった」(佐藤)

 頼もしい9番の復活を機に、東京海上が連続優勝に向け力強い一歩を踏み出した。

【後藤勝】

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