東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]


HBO TOKYO
世界へ 未来へ チャレンジ
[MF小澤 淳一 インタビュー]

INTERVIEW
「あの時、チャレンジしてよかった」HBO東京からタイへ渡りアジア3カ国でプレー

 大学卒業後、一度は地域リーグのクラブに入団するも、プロになるという目標を実現するため海外挑戦を決断。HBO東京からタイへ渡りプロ契約を結ぶと、その後はフィリピン、モンゴル、ラオスとアジアを転々。異国での生活やプレーをいとわず、楽しみながら挑戦を続ける小澤淳一に海外挑戦決断の経緯や海外でサッカーを続ける理由を聞いた。
(※聞き手はTOKYO FOOTBALL)

MF小澤 淳一(27歳)
東久留米総合高校 - 上武大学卒業後、国内の地域リーグでプレーしたのちにHBO東京に入団。その後、タイ3部、フィリピン1部、モンゴル1部、ラオス1部などアジア各国でプレー。

CONTENTS 01
就職をとりやめサッカーを続けることを選択
地域リーグ、HBOを経てタイへ

 --大学を卒業してまず地域リーグのtonan前橋に入団したが、その時はどういった考えを持って入団したのか。

「当初はJリーグへの入団を目指して大学でもサッカーをやっていましたが、それも難しい状況だったので就職活動を始めました。無事就職が決まって、卒業前にはその会社の研修にも行っていました。でも、自分がやってみたいと思った指導者の仕事ではあったものの、自分の中にはまだサッカーを続けたい気持ちが残っており、特に大学の最後はケガでサッカーが出来なかったので不完全燃焼の気持ちがありました。それで大学を卒業する直前に就職を取りやめ、自分は群馬の大学に行っていたので、当時J3への準加盟が承認されていた群馬県のtonan前橋のセレクションを受けて、OKをもらって入団しました。自分としてはクラブと一緒にJ3へ上がっていく気持ちでいました」

 --ただ、そのあとに途中で海外を目指すことになったが、その経緯は。

「当時はJ3も始まったばかりで、完全なプロというよりセミプロ的な感じでした。それを考えると、仮に自分がこの先J3のチームでプレーをできたとしても仕事をしながらサッカーをするセミプロの状況かもしれない。自分は就職を蹴ってまでサッカーの道を選んだし、やはりサッカーだけで生きていくプロを目指したいと思いました。それで本気でプロを目指すなら海外しか道はないし、思い切って海外チャレンジを斡旋しているHBOへ行きました」

 --HBOを経由して最初に海外に挑戦した国は。

「タイです。当時の自分にサッカー選手としての価値はほとんどないことはわかっていたので、自分で国を選ぶというよりかはとにかくプロになれる国、話がきた国を選びました」

 --具体的にはどんな話がきたのか。

「HBOには海外チャレンジをサポートする代理人の方がいて、その人のツテで話がきました。その代理人の方もタイでプレーした経験があり、その人から『日本人でこのポジションでプレーできる選手を探している』と話がありました。それでちょうどその時は自分もHBOで試合に出て、結果を残していたので推薦してもらい、すぐにトライアウトを受けに行きました」

 --話が来た時に迷いはなかったのか。

「多少の迷いはあったものの、自分の中でゴーサインが出ていました。まず行ってみよう、行ってみてダメだったらそれでやめればいい。コンディションも整っていたし、今しかないと思いました」

 --実際にタイに渡ってから入団・契約までの流れは。

「もともと日本人選手を探していたクラブだったし、2週間くらいのテスト練習に参加して、1週間でOKをもらって契約できました。でも、自分のようなパターンはまれで、テスト期間中から住むところも食事も全部クラブが面倒を見てくれて、空港に着いた時も社長が迎えに来てくれました。おそらく代理人の方とクラブの信頼関係が大きかったのだと思います」

 --プロ生活をスタートしてみての感想は。

「サッカーをやることに変わりはなかったし、プロになったという実感はあまりなかったです。でも、やはり勝負の世界だし、外国人枠でプレーしている以上はチームでも一番の存在にならなくてはいけない。『他の選手より高い給料を払っているんだから、チームを勝たせられないならいらないよ』というシビアな世界だということを学びました。それ以外にも練習の時から普通に足を削りにくるし、日本で持っていた常識はここでは通用しない。でも、タイや海外でプロとしてサッカーをやるということはそういうことなんだと、自分ではある程度覚悟を持っていました」

 --生活環境に関しては。

「もちろん日本の生活に比べたら基準は下がりますが、自分の部屋を用意してもらっていたし、それに食事も付いて、クラブのトレーニングジムも使い放題。クラブからの給料を使わずに十分生活できました」

CONTENTS 02
「新しい国での挑戦が楽しみだった」タイのあとはモンゴル、そしてラオスへ

 --タイでは2年目にクラブを移籍。より良い条件を提示してくれたクラブへ移籍したのか。

「条件に関しては1年目とほとんど変わらなかったです。でも移籍したクラブの方がサッカーのレベルが高かったし、自分がやりたいサッカーでもありました。それにスタッフも元タイ代表のアシスタントコーチが監督をやっていたので、その人のもとでサッカーをやりたいという選手が集まり、昇格という結果も残せました」

 --タイで2シーズンプレーしたあとはモンゴルに移り、翌年(昨シーズン)はラオスでプレーした。国を転々とした理由は。

「タイで2年目を終えたとき、違う国でやってみたいという思いが芽生えました。実はモンゴルに行く前にフィリピンで契約が決まっていましたが、キャンプに入る前にケガをしてしまって参加できなくなった事情がありました。それで、その時に移籍のウインドウが開いているのがモンゴルだったので、代理人を通してモンゴルに決めました。翌年はまた国を変えてラオスに行きましたが、それも新しい国でのチャレンジをしてみたかったからというのが理由。これから行く国ではどういった生活、サッカーが待っているのか。それがすごく楽しみでした。今はケガをして日本に帰ってきていますが、またプレーができるようになったなら、今までと違う国でプレーしたいと思っています」

 --より良い契約条件を求めるよりも、今は自分が好む国にチャレンジしたい気持ちの方が強いのか。

「生活を出来るだけの給料が出て、家を用意してもらうのは当たり前のこと。でもそこからは、その国やクラブの人間味だったり、自分自身の感性を大事に決めたいという考えにシフトしてきました。今の自分にとってはこれまでと違う環境に飛び込んだ方がいいと思っているし、行ったことのない国で新しい経験、プレーがしてみたい。もちろん語弊のないように言っておきたいのは契約内容をおろそかにするということではないということ」

 --色々な国でプレーしてみてどこの国が良かったか。

「すごくシンプルな理由になってしまいますが、リーグ日程を予定通りにこなすモンゴル。日本ほどシビアではないが、モンゴルはしっかりしていた。それ以外の国は、残り3試合のところで突然中断になったり、3日前にまた再開が決まったりと大変でした。サッカー自体は国によってメリット、デメリットがあると思いますが、比較的そういったところは自分は楽しめるタイプ。でも日程の問題だけは嫌でした」

「あの時、チャレンジしてよかった」

 --改めてtonan前橋にいた時に海外へチャレンジする道を選んだが、その決断は間違っていなかったと思えるか。

「一発で良かったと即答できます。本当にチャレンジしてよかった。もちろん楽しいか辛いかでいうと、ストレスが溜まることの方が多い。でも、実際にはそこから学べたことの方が多かった。自分はまだ日本での社会経験がないけれど、それはこれからの人生でできること。その前に生きるための考え方や違う国の人たちの生き方というのを学べた。本当に大事なことを学べたと思っているし、振り返ればすべてが楽しかった。今はケガをして日本にいますが、やはりもう1、2年はできるところまでやってみたいという気持ちです」

 --そういったチャレンジする機会を与えてくれたHBOというクラブの魅力は。

「HBOは海外に選手を送るだけでなく、まず日本で一緒にチームメイトとして練習をして試合もする。自分が在籍していた時は特別だったかもしれませんが、とにかく練習から熱かった。そういったところはHBOの魅力。ほとんどの選手が海外を目指していて、しかも、一度海外のクラブに行って戦力外になって挫折した選手が多かったので『次はもうない』という覚悟でみんな必死にやっていた。練習中には喧嘩もあった。でもそれは決して仲が悪いというわけではなくて、熱かったということ。それはtonanにいた時にはなかったものです。あとは海外でプレーしている選手たちはオフシーズンに日本に帰ってくるとトレーニングをする環境がないのがつらいところ。でも、HBOはいつでもウエルカムで練習にも参加させてくれるので、コンディションを維持できるし、そこは非常にありがたい。それに色々な国でプレーしている選手が集まるので、そこで新たな発見やつながりも出来るし、非常にいい経験になる」

 --ケガが治って、もう一度海外に挑戦することになれば、その時は何か新しいことにチャレンジしてみたいなどの気持ちはあるか。

「最近はサッカー選手が自分の生き方をSNSなどで発信して、自分の価値を高めたりしている。それはそれで大事なこと。でも自分としてはそういったことに時間を注ぐよりかはサッカー選手としての職業を真摯に突き詰めたいと思っている。練習があるなら練習の時だけ頑張るのではなくて、練習前の準備、練習後の身体のケア。結局、一日ずっとサッカーのことを考えて行動することが一番結果を出せると思っています。普段の日常に面白みはないかもしれないけど、サッカーを仕事にするならサッカーに没頭したい。新しいことは今はいいかなと思っています」

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