東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]


HBO TOKYO
世界へ 未来へ チャレンジ

INTERVIEW
マルタ諸島で活躍する二人が海外挑戦を語る 今後は現地で日本人選手のサポートも

 HBO東京から海外へとチャレンジし、現在マルタでプロとしてプレーする田中薫平と中村駿介。海外へチャレンジしたきっかけからプロ契約に至るまで、さらに今後は自らが現地で培ってきた実績・信頼関係を生かし、より多くの日本人がマルタでプレーできるためのサポートもスタートする。その経緯や意気込みを語ってもらった。
(※聞き手はTOKYO FOOTBALL)

MF田中 薫平(写真左)
鹿島アントラーズユース - 日体大 - HBO東京
2015年にマルタに挑戦。3部リーグのクラブと契約し、2年目に全試合に出場しリーグ優勝と2部昇格に貢献。今季はマルタで4年目のプレーになる。

MF中村 駿介(写真右)
浦和レッズユース - 専修大 - HBO東京
HBO入団後、田中薫平の紹介でマルタの2部クラブに挑戦し契約。昨季はレギュラーとしての活躍が認められ、今季は悲願の1部クラブに移籍。

※マルタ共和国
イタリアのシチリア島の南に位置する共和制国家でEU加盟国。公用語はマルタ語と英語。ヨーロッパを代表する観光地で、首都バレッタは町全体が世界遺産登録されており、ハイシーズンには世界各国から観光客が訪れる。サッカーは1部のプレミアリーグを頂点に4部リーグまである。

CONTENTS 01
あきらめたくないという気持ちが強かった

 --マルタという国に挑戦しようと思ったきっかけは。

田中:「僕は大学時代から海外に行きたかった。未知の体験がしたくて、その中でも日本人が少ないであろうマルタを選択した」

中村:「もともと引退後のことも考えて英語を学びながらサッカーがしたかった。実は大学卒業後に一度オーストラリアに行ったが、ケガなどもあって帰国することになってしまった。その時期にもう一度英語圏でサッカーができるところを調べていたらマルタが出てきた。それがきっかけ」

 --当初は二人とも日本でプロ選手になることを目指していたと思うが、それが叶わなかった。ただ、そこで見切りをつけずにまだやりたい、国外でもプロを目指そうと思ったということか。

田中:「まだあきらめたくない、サッカーを続けたいという気持ちが強かった。日本でプロ選手になれなくても海外でプロ選手になれる可能性があるなら挑戦しようと思った」

中村:「自分の場合はサッカーでお金をもらって、英語に関しても日本にいて独学で勉強するよりも絶対に伸びると思って挑戦した」

 --どういったルートでマルタという国のトライアウトを受けたのか。

田中:「HBOにサポートして頂き、現地にコーディネーターがいて練習に参加して、最初は3部リーグのクラブと契約した」

中村:「自分は薫平さん(田中)が3部で活躍していたのでコンタクトを取り、まずHBOに入団してコンディションを上げさせてもらって渡航した。ちょうど薫平さんのチームが3部から2部に昇格したタイミングで、うまく最初に受けたチームで契約することができた」

 --練習参加期間はどれくらい。

田中:「クラブによっては1日で来なくていいということもあるし、もう少し見たいと言われれば3週間くらい参加することもある。僕の場合はいくつかのチームの練習に参加して、最後のチームで3週間くらい練習に行ってやっと契約できた」

中村:「自分は運良く1週間の間に練習試合に2回出場させてもらってすぐに契約することができた」

 --契約というのは当然プロ契約ということになるのか。

田中:「プロ契約という形。現時点でマルタはプロ契約でないとビザがおりないし、プレーできない」

 --プロ契約した時点で長年の目標はひとまず達成したことになる。その実感はあったか。

田中:「そういう見方をすればそうなるが、その時は契約できただけで給料の面も考えればまだまだだし、勝負はこれからという感じだった」

中村:「給料はピンキリだが、どんな形でもプロ契約ができて小さい頃からの夢が叶った。ただ、当初は一年間サッカーと英語の勉強を頑張って、セカンドキャリアに進もうと思っていた。でも、どんな国でも活躍すれば上のカテゴリーに行けるということ、活躍した分だけ給料もあがるということがわかって、それ以降はサッカーを真剣にやっている。今ではどれだけサッカーで上に行けるかチャレンジしている」

CONTENTS 02
マルタは英語圏でプロキャリアをスタートするには最適

写真:マルタ

 --日本とのサッカーの違いなどは感じるか。

中村:「技術は日本人の方がうまい。でも日本だとパス中心でポゼッションすることで評価される。でもここでは外国人枠で助っ人なわけでゴールへの意識がすごく強くなる。結果重視のプレーが求められる」

田中:「負けたら僕ら外国人のせいにされるので、いかに目に見える活躍をするかが大事になる」

 --喜びを感じる時は。

田中:「試合で点を取ることもそうだが、2年目に3部で優勝することができて2部に昇格したとき。その時は全試合に出場して、優勝に貢献できた。自分自身もそのまま2部のクラブにいけた」

 --マルタの治安は。

田中:「治安はすごくいいと思う。生活での不自由もないし、日本食にこだわりがなければ食事も問題ない」

 --住むところは。

田中:「トライアウトの期間は自分たちでアパートを借りていた。プロ契約すればクラブが用意してくれる。自分が住んでいたのはクラブハウスの上に部屋があって、ベッドルームやキッチンがあった。自分は来年また別のクラブに移籍するので、クラブが用意してくれることになるが、どういった家に住むかはまだわからない」

中村:「自分は一軒家に外国人プレーヤーと一緒に住んでいる」

 --言葉の壁は。

中村:「ドイツで日本代表の宇佐美選手が言葉の壁があるというが、それは本当にすごい高いレベルでの話。僕自身はドイツに比べればマルタはどうしてもサッカーのレベルが下がると思うので、サッカーができれば何とかなるところはあると思っている。まずはサッカーで評価を得て、そこから言葉を覚えていく。そういった面でも海外でプロサッカー選手としてのキャリアをスタートするには最適な国だと思う。英語ができれば、次の国にサッカーでステップアップした時も強いと思う」

 --今はマルタでプレーをしているが、今後のビジョンは考えているか。

田中:「サッカーも全力でプレーをするが、今後は日本人がマルタでプレーしやすい環境をつくっていきたい。サポートをしていきたいと思っている」

中村:「マルタの1部リーグを実際に目で見て、日本の大学トッププレーヤーだったら、出来ると感じた。それに1部の1位はヨーロッパチャンピオンズリーグ予選に出られ、2、3、4位がヨーロッパリーグの予選に出られる。自分も来季は1部でプレーする予定なので、まずはそこを目指してやっていきたい。日本の大学を卒業した選手が1部に直接入団できるような実績・クラブとの関係を築いていきたい。そのためにも自分が活躍して日本人の評価を上げていきたい」

HBOには海外へチャレンジする環境が整っている >

PAGE TOP