東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:リーグ後半初戦を快勝で飾った南葛SC。

関東リーグニュース

22歳の加藤が象徴、南葛のゴールに向かう姿勢

写真:リーグ後半初戦を快勝で飾った南葛SC。

MATCH REPORT後藤 勝

<関東1部:南葛SC 3-1 ジョイフル本田つくば>

 南葛SCとジョイフル本田つくばFC、超攻撃的なクラブ同士の対戦は、ホームの南葛に軍配が上がった。

 とにかく巧い。そしてぐいぐいとゴールに迫っていく。ある意味で似たもの同士のつくばFCに苦しめられ、南葛は先制しながらも前半42分に追いつかれ、1-1の同点で後半に折り返していた。

 この状況で後半の開始から登場していた加藤政哉が勝負の行方を南葛の側に引き寄せる働き。「自分が出て流れを変えるなり、点を決めるという気持ちはあった」という若武者が、後半11分に貴重な勝ち越し点を決めた。中央のFW大前にタテパスをつけたところでスイッチが入りスピードアップ。MF佐々木のシュートをつくばFCのGK木戸が弾いたところに詰める形で加藤が蹴り込み、ネットを揺らした。

「サイドにボールがあり、クロスが上がってきてもシュートを打ってもいいように、準備をしていた。もしクロスが来ていたとしても、合わせていたと思う。準備があったからこその点かなと思う」

 ボールが来そうなニアサイドに寄っていく動きがこのゴールを決定づけていた。風間監督がすべての選手を鍛え、巧い選手に仕立て上げていくなかで、加藤はストライカーとしての際立つ特質もまた、備えようとしている。

「一番には、自分が持ったら怖い選手になることを意識している。相手が『こいつに持たせたら危ないぞ』と思う、そういう選手になるように頑張っている」

 この日の南葛は相手ゴールに向かう迫力があり、それは加藤を含むチーム全体に感じられた。

「タテの意識が強くなった。みんなが自信を持ってプレーする時は、ポンポンポンポンと、うまくいく。点を獲ったシーンもそうだが、そういうシーンが増えているので、これからも続けていきたい」

 つくばFCと真っ向からぶつかり合うことで南葛の本質がはっきりと浮かび上がった。あれほど巧く、強い相手に対して守りきろうとしても守りきれるものではない。この日も実際に1失点を喫しているが、勝とうと思えばシンプルに相手より点を多く獲るべく、常に次の1点を狙うしかない。そのためにはひたすらゴールに向かうことが必要。各選手間の距離、速さ、タイミング、ゴールに向かう意識を揃えてきた今年の取り組みが開花しつつあると感じさせられる内容だった。そこに、加藤も手応えを感じていた。

「攻撃の面でも守備の面でも上回ったからこその勝利かなと思う。でも、まだまだ巧くなれる部分もあり、課題もいっぱいある。そこは練習で突き詰めて、次の試合、また自信を持ってやれるように頑張りたい」

 一喜一憂せず、常に高い基準を置いて努力を継続する集団が風間南葛。決勝ゴールそのものは喜びつつも、視線は次の段階に向かっていた。「今日の試合も2点目、3点目が獲れるシーンがいっぱいあったし、全然満足出来ない。どんどんストライカーとして点も獲るし、試合内容も圧倒出来るように頑張っていきたい」と、加藤。前期はアウェイで屈した相手に3得点で勝つ、そんなチームの成長を、22歳のストライカーが表現していた。
【後藤勝】

関東サッカーリーグ

PR

PR

PAGE TOP

PR


TOP

PAGE TOP