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写真:後半にゴールを決めた河西だが、前半の好機は決められなかった。

関東社会人サッカー大会ニュース

何かが欠けていたSHIBUYA 準決勝突破できず

写真:後半にゴールを決めた河西だが、前半の好機は決められなかった。

MATCH REPORT後藤 勝

<関東大会準決勝:SHIBUYA 1-2 KAWAGOE>

 東京都社会人サッカーリーグ1部をほぼ独走に近い形で優勝。昇格候補の本命として乗り込んだ関東社会人サッカー大会だったが、埼玉県社会人サッカーリーグ3位のCOEDO KAWAGOE F.Cに敗れ、悲願は達成出来なかった。

 準々決勝(2回戦)で敗退した昨年度よりもチームの完成度は高くなっていた。前半45分間に関してはボールを保持してラインを押し上げ、ボールを奪われてもすぐに奪い返すことで、リスクを軽減する戦いが出来、その上でチャンスを作れていた。増嶋竜也監督はこの一戦に向けた戦術的な準備についてこう語った。

「今日に限って少し形を変えた前進の仕方、ポゼッションの仕方をして、だいぶそこからいい流れ、いい形が出来ていた。ただ最後のところであれだけチャンスがありながら点が獲れないと難しい。選手は一生懸命やってくれていたが、フィニッシュのところで入るか入らないかで勝敗が決まってしまった」

 チャンスはあったが、スコアが動かなかった。前半はFW河西の背後やサイドの奥を衝く動きを活かしてスルーパスでゴール前に迫るシーンを量産。後半5分にはDF大津の右からのクロスをFW伊藤が左足を振り抜くと、この美麗な一撃はネットに突き刺さったかと思われたが、惜しくもクロスバーを叩いてゴールならず。この、もっとも決定的だったシーンを含め、何回かあったチャンスに決められなかったことが“幕張の悲劇”を招いた。

 後半26分、それまでほとんどチャンスらしいチャンスがなかったKAWAGOEがセットプレーでチャンスを掴む。精度の高い右コーナーキックを長身のFW三島康平が頭で沈め、先制した。このあとSHIBUYAはクロスの折り返しを河西が決めて同点に追いつくが、後半43分、またも三島にコーナーキックから勝ち越し点を許して万事休す。夢フィールドで夢は潰えた。

SHIBUYA敗れる【ゴールシーン】

「何かしら、絶対原因はある。ちょっとした隙を突かれたと思う。セットプレー2本だけだが、そのセットプレーに落とし穴があったし、あそこで簡単にコーナーを与えちゃいけない。素直に自分たちの力不足だと思っている」

 1シーズンを通して、内容も結果も高いアベレージを示したSHIBUYA。しかし最後の最後で詰めを誤り、昇格を逃した。あと一年、再び挑戦の時間を過ごさなければいけない。なんと残酷なことか。

「シーズンを通していいチームは出来たが、最後に勝てなかったのはやはり自分の力不足。もっとこうすればよかったのではと、見つめ直す必要があると思う。都リーグで優勝した、トーナメントも2回戦に勝ったが、最後のところで勝ち切るというところまでいかなかった。選手には本当に申し訳なかったという想いがある」

 目標に片手をかけていた。昇格まであと一歩のところでの敗退。増嶋監督だけでなく、試合後の選手やスタッフは、かける言葉が見当たらないほどに、みな沈痛な面持ちだった。おそらくクラブ史上、もっとも悔しさが溢れた一日だったろう。

 二度挑んでダメなら、三度目の正直を狙うしかない。このかつてないほどの悔しさをクラブに携わる人々で共有し、次こそは絶対に昇格するのだと決意をクラブ全体にみなぎらせれば、いつかは歴史を塗り替えられるはず。その覚悟を持つことが、SHIBUYAにとって次の課題となる。

大会日程・結果/トーナメント表

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