FW転向2週間の青木が2得点
写真:ゴールを決めて拳を突き上げるN.のFW青木。
MATCH REPORT後藤 勝
<東京1部:FC N. 4-1 EDO>
N.は先制しながらEDOのDF髙井とMF谷尾による見事な崩しからMF浅賀に決められ、追いつかれた。しかし7分後の39分にはFW青木が左右の揺さぶりからのクロスをヘディングで決めて勝ち越し、55分にはループシュートを決めてEDOを突き放した。
2点とも、丁寧に狙いすましたかのようなゴール。しかし当の青木は「当てただけ」と言い、少々困惑するような表情だった。「2点目はつま先で触っただけなので。意図して撃ったものではなく触れば1点かなと」。
以前はセンターバックでプレーしていた青木。前回の試合からフォワードに転向してまだ2週間しか経っていない。シュートに行くためのドリブルといった個人技はそれほど得意ではないが、ゴール前のクロスに対する入り方、特にこの日の1点目のヘディングシュート、相手のマークを外す駆け引きが秀逸で、トレーニングしてきた成果が出た。
「そこしか出来ないと思っているので。絶対自分で獲ると思い、練習からタイミングや動き出しを意識して取り組んだ」
身長は175cmだが、美しい跳躍によるヘディングシュートは長身選手のそれにも見劣りしない。低いクロスに合わせた追加点も、偶然なのかもしれないがきれいに決まった。FWとしての経験は少ないが、この適応力は並大抵のものではない。後半途中からは体力的に厳しい状態となったが、交代枠がなく、ややポジションを下げながらもタイムアップの笛が鳴るまでプレーを続けた。疲労困憊。しかし「上位対決のために一週間準備してきて楽しみではあった。勝負どころで結果として点が獲れてチームも勝ち、勝負強さは出せたと思う」と、胸を張る。
原動力はトップチームをめざして経験を積み、自らを表現していくこの「N.」という場そのものにある。
「日大はトップチームが関東大学サッカーリーグ1部でやっている(今期18年ぶりの昇格)ので、練習の基準も上がっている。選手同士、この都リーグでは圧倒しないといけないと話し合い、全員が関東大学1部で戦うことをめざしている」
トップチームの基準で戦うN.が強さを示し、新星を出現させながら暫定首位の座を守った。
【後藤勝】
東京都社会人サッカーリーグ1部