武蔵野3勝目 上位のV大分から勝点3
写真:ボールを激しく奪いに行く武蔵野の主将・小林(左)。
日本フットボールリーグ(JFL)の東京武蔵野ユナイテッドは14日、調布市・AGFフィールドで第8節をヴェルスパ大分と戦い、2-1で勝利した。武蔵野の通算成績は3勝1分け3敗の勝ち点10で、暫定12位につけている。次節は27日にアウェイでHonda FC(静岡)と戦う。
「逃げのない戦術」覚悟決め2ゴール
天皇杯予選で格下に敗れ、リーグ戦も前節敗れて2勝1分け3敗と黒星が先行。今節、3位につけるヴェルスパ大分に敗れればチームには暗雲が垂れ込めていたはず。何かを変えるべく石村監督は上位チームを相手に前から積極的にプレスにいかせた。「結局、いくら言葉で受け身にならずやろうと言っても実際には難しい。戦術的に前からプレスをかけ『逃げのない戦術』を取ったことが、特に前半はうまくいった」(監督)。
その前半に2得点。シュート7本という数字にも積極性が端的に表れていた。前線からのプレスに連動して後方の選手たちもハイラインを敷き、前のめりの守備。奪ったボールは迷わず2トップの小口、澤野に当て、そのまま前へ加速して駆け抜ける。時折、10番MF後藤がはさむ時間を作るタメ、カウンターの速度調整、ボールの散らしも絶妙なあんばいだった。
勢いが続く35分に先制点。右サイド深くからSB鳥居が懸命なクロスを入れると、逆サイドに流れたボールを鈴木が収めて後ろに落とし、それを左SB小林が強烈なシュート。相手GKが掴みそこねたボールを澤野が押し込んだ。さらに大きかったのが前半のうちの追加点。45分に右サイドのスローインからエリア内にボールを運び、最後はボランチの小野寺が右足で蹴り込んだ。
だが後半は、前半の飛ばしすぎがたたってか、プレスがかからず防戦一方。さすがは上位チームという相手のパワーと巧みさを兼ね備えた攻撃を存分に見せつけられ、69分に中央から崩されて1点を返された。その後もようやく訪れた決定機をFW小口が決めそこねると、再び我慢、我慢の連続。
それでもGK末次の熱い好セーブ、ゴールに吸い込まれそうになったボールを頭で弾き返す鳥居のファインプレー。勝ち点3のために「みんながよく頑張った。トレーニングでやってきたことを出せたし、大分さんを相手に立ち向かう有意義な試合だった」と監督。長い5分のアディショナルタイムを切り抜け、上位チームから貴重な勝ち点3を挙げた。
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