采配鋭く後半逆転 声援が後押し クリアソン2勝目
写真:後半から出場し決定的な仕事をこなした齊藤。
【JFL】クリアソン新宿 2-1 ブリオベッカ浦安
2連敗中で迎えた国立での一戦。開幕から未勝利の浦安に36分、先制点を許して前半を0-1。このまま終わればせっかく訪れた大観衆がため息に包まれて3連敗となる。何かを変えるべく、指揮官の動きが早かった。ハーフタイムに2シャドウのMF大﨑、池谷の2人を下げて森村と齊藤を投入。勝負に出た。
成山監督は「今年はMF大﨑、池谷、上田が副キャプテンになったが、その3人が同時に揃って出場し、キャプテンの須藤を助けるということができていなかった。この国立でキャプテン、副キャプテンを並べてチームの体現したい姿を見せたかった」という。一方でベンチで控えていた森村と齊藤の状態もよく、「バトンをつなぐではないが、最初は役職についている人たちでゲームを進め、途中からは交代選手たちに馬力を出してもらいたかった」と、あらかた出来、不出来にかかわらずこの試合はリレー形式の総力戦で戦うハラだったよう。
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予想以上にこの交代の効果はてきめんだった。前半は正面、サイドから押し込んでいながら、DF4枚とボランチ2枚を敷く浦安の分厚いブロックにゴール前で阻まれるシーンが多かったが、それが後半は森村と齊藤の2人が敵の最終ラインとボランチの間に入って後方から縦パスを引き出すことで、相手守備陣にギャップを生じさせた。
巧みな位置でボールを受け、食いつかせ、そのスペースを使って侵入する。この連続性で攻勢を続け、55分にはDFラインの前でボールを受けた齊藤が一拍置き、タイミングよく裏に抜け出るFW佐野へスルーパス。それを佐野がうまく流し込んで追い付いた。
こうなると会場がクリアソンを大きく後押し。71分、サポーターの想いを乗せた10番・上田のFKは惜しくもポストを叩いたが、その跳ね返りが佐野のもとへ転がってくる“引き寄せ”。佐野が頭で押し込んで逆転に成功すると、終盤は次々にフレッシュな選手にバトンをつないで逃げ切った。
監督は「国立の雰囲気に助けてもらいながら、チームも力を発揮できた」とサポーターに感謝。「ようやくケガ人も戻りこの1週間はいい競争ができた。手応えも得たし、ここから自信を持って進めて行きたい」と開幕前に掲げたスタートダッシュには失敗したものの、ここからの再スタートに意欲を示した。
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