セルべ最後に底力 アローレに逆転勝ち
写真:セルベッサはラストワンプレーで逆転勝ち。
【東京1部-A】アローレ 1-2 CERVEZA
選手交代を機に反撃
アディショナルタイム4分、MF田中太郎の決勝ゴールが決まるとそのまま試合終了を告げる笛。劇的な幕切れでAブロック2位で2ndステージ進出を決めたセルベッサの石割監督は「関東大会出場への挑戦権を維持できた。楽しみは続く」と笑顔を見せた。
2位の座をかけたアローレとの一戦、CB金澤やMF中田といった主力を欠く中、前半は0-0。63分には「右足も左足も警戒させていた」というアローレの10番宮川に先制点を撃ち抜かれ、苦境に立った。前節東京海上に敗れて初黒星を喫し、ここで連敗すればアローレに2位の座をゆずり関東大会出場は遠のく。
73分、監督は思い切って勝負に出た。MF佐藤、CB高田の2人を同時にピッチに送り出し、そのタイミングでCB浅田を最前線、ボランチの田仲をトップ下へ配置換え。浅田が敵陣で相手に絡みついてマイボールに変え、それを田仲が引き継いでシュート、さらにタメを作りながら右に左に展開して両サイドの攻撃参加を促す。明らかに自陣から敵陣に向かってうねりが起きた。
78分、監督の期待に応えて佐藤が冷静にミドルを蹴り込んで同点。さらに底力を見せたのはここから。勝ち点3を取りに攻め続け、90分を過ぎたところで田仲がエリア内で強烈なシュート。これがバーを叩いた時にはさすがに引き分けで終わりかと思われたが、終わっていなかった。ラストワンプレー、右SB黒木の裏へ蹴ったボールがエリア内右に落下すると、浅田が駆けつけてヒールで落とし、それを田中が左足でダイレクトで蹴り込んだ。
監督は「(田仲)智紀のシュートがバーを叩いた時は引き分けかなと思ったけど、選手はあきらめていなかった。勝ち点0を1に、勝ち点1を3に持っていけたのは成長。先に失点するとうちは弱いところがあるが、それをアローレという相手に覆せたことは良かった」。約1ヶ月半後に始まる2ndステージ・上位リーグに向けては「うちは東京海上にも負けているし、チャレンジャーとして挑むだけ」と話した。
東京都社会人サッカーリーグ1部