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写真:決勝ラウンド初戦でおこしやす京都と再戦したCriacao。

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Criacao、おこしやす京都にリベンジ

写真:決勝ラウンド初戦でおこしやす京都と再戦したCriacao。

Match Report後藤 勝

 社会人サッカーの最高到達点であり、別組織の全国リーグであるJFLへの登竜門となる「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021」決勝ラウンド第1日が11月24日、味の素フィールド西が丘でおこなわれ、関西サッカーリーグのおこしやす京都ACを相手に関東サッカーリーグのCriacao Shinjukuが勝利を収めた。

 1次ラウンドでは11月13日の第2節まで2連勝。その時点で決勝ラウンド進出を決め、14日の第3節おこしやす京都戦ではメンバーを大幅に変えて臨み、身長185cmのFW青戸翔にハットトリックを許して3-2のスコアで敗れている。このときのメンバー変更は成山一郎監督によればターンオーバーではなく、あくまでも全員で戦うという意味を込めていい準備をしていながら出場機会の少なかった選手たちを送り出したとのことだった。結果的には1次ラウンド第1節、第2節のメンバーを一日早く休ませ、かつ彼らのデータを相手のおこしやす京都ACに与えなかったことも今回の勝敗に影響があったのかもしれない。

中央強固 おこしやす京都FWに仕事させず

ボールを奪って前へ出ていくCB米原。

 おこしやす京都はマイボールになると右サイドバックの17番稲垣雄太が上がり、右サイドハーフの7番清川流石がやや内側に入って中盤を厚くするとともに大外の人数を増やしてサイドから攻めようという意図。攻め込む機会は多かった。

 しかしCriacaoは3バックの両端が攻め上がらず3枚が距離を短く保ってユニットとして動き、構えて守るときは両ワイドもポジションを最終ラインに戻して5バックになり、かつ中盤も加勢するため、特に中央部分が分厚くなりゴールを割られる気配は微塵もなかった。サイドでも複数人で寄せて順次スペースを消していくと、おこしやす京都はそこで手詰まりになり、決定的な場面をつくれない。

 東京ヴェルディジュニアユース出身で元東京ユナイテッドFC、元東京23FCのFW青戸翔は「Criacaoのディフェンスラインは最後の身体を張るところの集中力がすごかった」と脱帽していた。キャプテンの清水良平も「サイドはフォーメーション的に空いている。真ん中は強く来ていた」と、中央部分の堅さを認めていた。

 しっかりと守るCriacaoの狙いはセットプレー。精度の高い左足を持つ瀬川和樹をキッカーに、ターゲットのDF米原祐を狙い、チャンスをつくっていく。無失点の気配を強く漂わせながら丁寧に試合を進めていくCriacaoは、相手陣内左奥のスペースにボールを蹴り込みながらゴールの機会をうかがうが、0-0のままスコアはなかなか動かなかった。

両者勝負に出た終盤 最後はCriacaoに軍配

85分に樋口がヘディングで決勝ゴールを決めた。

 試合が動くきっかけとなったのは62分の選手交代。おこしやす京都ACはイブラヒム、Criacaoは2枚替えのひとりとして岡本達也を送り込んだ。 おこしやす京都の瀧原直彬監督が「イブラヒムは自分たちの一番のストロングを持ったスピードの在る選手。流れを変える、得点を獲りに行くということで投入しました」と言うように、スピードで半ば強引にフィニッシュまで持っていく。しかし、Criacaoの最終ラインとGKの連携で、それが阻まれるか、あるいは枠を大きく外してしまい得点に結びつかない。

 一方、3-5-2を基本布陣として前がタテ並びとなり3-1-4-1-1のようにも見えるCriacaoは、その堅い守備を基調に、細部の一手一手を大事にするプレーと試合運びで徐々におこしやす京都を追い詰めていった。

 迎えた85分、瀬川和樹の左からのフリーキックは米原祐の頭に。そしてこのヘディングで浮いたボールを中盤の樋口裕平が頭で決めると、堰を切ったように歓喜が爆発した。

 この日のシュート数最多はFW大谷真史の4本。次いで2本がターゲットマンの米原祐とこの樋口裕平だった。ゴールシーン以外でもフィニッシュの場面に度々顔をのぞかせていた殊勲の背番号20は囲み取材の対象2名には入らなかった。選手たちが帰路につく前、本人に直接訊ねると、どうやら前線の大谷真史や伊藤大介の背後で中盤の仕事をしながらも決定機に備えていたことは確かなようだった。

 「ミスがあってもそれを補っていこうとする姿勢がある」と言う樋口裕平。このフィロソフィーが示す粘り強さと積極性で試合終了近くの決勝点をもぎ獲り、JFLとの入れ替え戦に向けた貴重な1勝をCriacaoが手にした。

(後藤勝)

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