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関東社会人サッカー大会ニュース

Criacao成山監督インタビュー「トレーニングの成果を大会で出せる自信はあった」1/2

 2018年の関東社会人サッカー大会(関東大会)を勝ち抜き、関東リーグへの参入を手にしたCriacao Shinjuku。チームを率いた成山一郎監督に関東大会を迎えるにあたって取り組んだこと、優勝を裏付けたトレーニング、来季舞台を移す関東リーグへの意気込みを聞いた。

成山一郎監督

Criacao Shinjuku

成山一郎監督

CONTENTS 01
関東大会に向けて準備したことは2つ

--9月後半のリーグ戦終了から11月の関東大会を迎えるまでの約1カ月半、この期間に取り組むべき課題、大会を勝ち抜くためのポイントはどのように考えていたか。

「リーグ戦が終わってから関東大会を迎えるまでに僕がやったことは大きく2つ。一つは関東大会だったり、昇格争いを得意とする人に話を聞きに行った。具体的に言うと2人いて、1人は去年関東大会で優勝したアイデンティみらいの富田哲二監督。事前にどんな準備をされたか、気をつけるべきことはどんなところかを教えてもらった。もう1人は、J2からJ1への昇格請負人とも言われていて、去年まで清水の監督をされていた小林伸二監督。僕が広島ユースにいた時の監督で恩師のような存在。監督がたまたま東京に来る機会があったので、そこで少し話を聞かせてもらい、昇格の際はどんなことに気をつけていたかなど、まずは『昇格を知る』というところからスタートした。

 もう一つは大会まで1カ月あったので、実際の関東大会を戦う11月のシミュレーションを10月中に全部やらせてもらった。まず10月半ばの土日を使って、1、2回戦を想定して練習試合を組んだ。延長なしでPK戦。大会と同じレギュレーションで練習試合の相手にやって頂いた。それから1週あいて、次の土日には準決勝、決勝のイメージで今度は延長戦、PK戦までしっかりとやった。しかも大会と同じ天然芝でやらせてもらった。そういった11月に実際に起こるシミュレーションをメンバーに体験させて、誰の体力がもつのか、もたないのか、疲労の出るポジションはどこか、どれくらいで回復できるかなどを試した」

--2人の監督に話を聞いて印象に残ったことは。

「アイデンティの富田監督からは、まず東京開催というのが非常にアドバンテージになるし、いつものサイクルで試合に臨めるので、特別なことをする必要はないと言っていただいた。それと一番印象に残っていて本当にその通りだなと感じたことは、結局、色々考えて小細工を弄するよりも自分のチームのサッカーの質を高めた方が良いということ。どれだけ1カ月でサッカーの質を高められるかにフォーカスした方が良いと。それまで僕も『どんな準備をしましたか』とか、『連戦の際にはメンバーを代えた方が良いですか』とか、細々と質問していたが、最後にそのアドバイスを一言もらって目が覚めた。やはり、最後は自分たちのサッカーに自信を持ってぶつかるのが一番だなと思った。

 小林監督からは、J2の山形をJ1に昇格させた時はベテランがキャプテンをやっていて、事前にそのベテラン選手とすごく会話をしたということを聞いた。そのキャプテンにはスタメンを任せたとのことで、ただ、彼は30代半ばで90分はもたないから最初の60分くらいまではしっかりやってほしい、チームには緊張とかもあるので、その辺をうまくリードしてほしいというような話をされたとのこと。60分以降は疲労がたまることになるので、そこで違う選手に代えておけば、次の日の連戦でもまた同じように使える。もし、チームにベテランがいるなら、その考えを持っておいた方がいいとアドバイスをもらった。実際、Criacaoには30歳以上の選手が多かったので非常に参考になった。

 それと監督からは昇格戦は硬い試合になるから、攻撃も守備もセットプレーの準備だけはしっかりとしておいた方がいいと。Criacaoでも主将のCB金裕士から私の方にセットプレーの守備の準備をしましょうという話があったので、ミーティングと練習を重ねて準備した。比較的守備のセットプレーは準備できたが、攻撃側に関しては特に大きな選手やヘディングが強い選手がいるわけではなかったので、10月の期間の間にもう一度しっかりと準備した。セットプレーの機会が訪れたら、みんなが『よしチャンスだ』というような雰囲気に持って行きたかった。実際、大会の準決勝でもセットプレーから決勝点が生まれたので、本当にアドバイスに助けられた」

--関東大会はリーグ戦のスタメンから何人かを入れ替えた。また選手によってはポジションも多少変更した。どのあたりをポイントに、最終的にこのメンバーでいこうと決めたか。

「スタメンで起用したDF須藤、MF金島はリーグ終盤にチームに加入した。彼らがチームにフィットするまでの時間がリーグ戦では足りなかったが、関東大会の準備期間の間に目処が立った。それと今大会はリーグ戦ではなく一発勝負のトーナメント戦。その一発勝負の試合でチームをコントロールできたり、自分の力を発揮できる選手をまずは考えた。今年入ってきた石川は世代別の代表経験があったし、須藤や上村もJユースや大学で大舞台の経験がある。金島も桐蔭や早稲田大での経験があった。彼らは自分をしっかり表現できるし、チームに落ち着きを与えられるということでひとつの軸に考えた。もうひとつ別の軸としては、シーズンを通して東京1部というリーグを戦ってきた信用できる選手たち。もちろん全員信用できるが、具体的にいうとリーグの上位チームと戦った時に自分のパフォーマンスを表現できたかどうか。例えば南葛だったり東京海上というチームに自分たちは勝てなかった。そういったチームと昇格を争う関東大会で戦った時に自分の力を出せるかどうかという観点。それらをすべて融合させて10月のシミュレーションで試しながら生まれたのがあのメンバーだった」

CONTENTS 02
選手の成長を目で見える数字で提示

--監督は今年のリーグ開幕前の3月に、関東大会が行われる11月にコンディションのピークを持っていきたいと話していた。実際、チームのピークを11月に持ってこれたか。

「トレーニングの内容自体が1月が一番軽いメニューで11月が一番きついメニューになるように段階的に設定していたので、必然的にそうなった。選手たちには『1月はこの本数しか出来なかったのが、11月はこの本数出来るようになった』と、目で見える数字を提示したので、みんなも納得して自信を持てたと思う。それに選手たちはやり切れたという達成感もあった。実際、これだけトレーニングをして動けないというのは他のチームを指導した時にもなかったので、そこは自信があった」

写真

--選手たちに具体的に示した数字というのを少し教えていただきたい。

「1月からスタートして11月にピークに持っていくために僕はピリオダイゼーションというオランダ人の理論を参考にさせてもらった。ピリオダイゼーション理論の考えはサッカーは持久力のスポーツではなくて、インテンシティ(強さ)を何回発揮できるかというスポーツだということ。実際に得点を奪う時はすごいパワーで、瞬間的に相手との違いを生み出す。相手からボールを奪う瞬間もそう。そういったコンディション作りの考え方で、これまでに実験を繰り返して生まれたトレーニングメニューが数字で表されている。あとはそれを指導者がプロチームに向けてなのか、週5日練習ができる大学生に向けてなのか、社会人に向けてなのか、自分なりに考えて当てはめていく。

 Criacaoの場合は水曜、土曜、日曜の週3日が活動日なので、水曜日をコンディショントレーニングの日と決めていた。1月の最初の第1週は15mのダッシュを10秒の休みを入れながら6本。2人を並ばせてスタートしてどちらが先にゴール地点に置いてあるボールに触れるかを競わせた。それを2セット。瞬間的に力を爆発させて、回復させて、また爆発させて回復という繰り返しで、もちろん数を繰り返していくうちにパワーが落ちてくるので、できるだけ最後まで同じパワーを維持できるようにすることも狙い。その翌週はボールを置いて、転がしてシュートまで持っていくトレーニングを5mX6本(1回の休息30秒)やって、休憩をはさんで次に15mX4本(1回の休息45秒)やって、最後に25mX2本(1回の休息60秒)を行う。これは一発の力を高めるトレーニング。

 これらを毎週1本ずつ増やしていき、最終的にどうなったかというと・・。1月の15mX6本の2セットで合計12本だったのが、11月の段階では15mX9本の4セットまで行えるようになって合計36本。実に3倍のトレーニングができるようになった。それ以外の5mX6本は5mX10本に、15mX4本は15mX8本に、25mX2本は25mX6本と、当初の2倍近い距離とパワーまで持っていった。

 このトレーニングは一年間かけて段階的に少しずつ増やしていくので、突然無理な負荷を与えるようなことはない。前回できた負荷を身体は覚えているので、次の練習で同じ数値から入ってさらに伸ばしていってもケガなどは発生しない。それが最終的にケガ人もなく、ベストメンバーでベストコンディションで11月を迎えられた要因だったと思う。これを彼らは『地獄のトレーニング』と言っていたが、こちらとしては理論整然とやっていたので、そんな言い方はされたくないかな・・と思っていた。

 実際、水曜日のフットサルコートの1時間の練習で、このメニューに費やす時間は20分程度。そこからの残りの30分は、小さいコートの中でGKをいれての2対2とか3対3。ルールは自分たちのプレースタイルは『前にプレーしよう』と掲げていたのでバックパス禁止。それを1分から1分30秒くらいの間隔で次々やっていた。それも結構きつかったと思う。バックパスが禁止だからパスを出したら前にサポートするために走るしかない。DFも取りにいかないと、どんどん攻めて来られるし、攻守の切り替えが起きたら、前にパスしかできないから必然的にカウンターになる。1分30秒もやると、もう息があがる。しかも、練習から勝ち負けにこだわらせるために負けチームは罰としてダッシュを設定していた。水曜日は先程挙げたコンディションと自分たちのプレースタイルを表現するための練習で、時間は短かったが密度は濃かったと思う」

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